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嶽神
著者 長谷川 卓
山の者の集団から追放されて<ひとり渡り>をする多十に、滅亡目前の武田唯一の嫡流・若千代の幼い命が託された。莫大な武田の御遺金(ごいきん)のありかを探るべく遣わされた真田、伊賀の忍者集団と、圧倒的な劣勢の中で血みどろの死闘を繰り広げる多十たち。知る人ぞ知る戦国忍者活劇のあの大傑作が、待望の文庫化!
嶽神(上) 白銀渡り
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紙の本嶽神伝 風花 下
2020/09/04 07:17
山の者の姿を淡々と描く。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
山の者、無坂を描く。武田信玄、徳川家康の動き、忍者と戦ったり、お互いに認め合ったり。しかし、無坂にはそういったことも欲得でなく人として生きる中で自然にでてくるもの。清々しいく描かれている。
山の者の生活も必要以上の描写は抑えながら、情景が浮かぶように描かれている。
読み応えあり。
最後も山の者らしいラスト。
紙の本嶽神列伝 逆渡り
2016/11/09 00:05
実に味わい深い作品でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に味わい深い作品でした。どちらと言えば、忍者伝奇的な活劇ものという印象で読んできたので、そういう意味では活劇不足ですが一個の人間の人生という味がしっかりと盛り込まれているせいか、何故か爽やかさが感じられるのです。
紙の本嶽神伝 鬼哭 下
2020/07/30 08:21
無坂を軸に描かれる“山の者”の活劇も後半に突入。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無坂を軸に描かれる“山の者”の活劇も後半に突入。基本的には里とは独立した生活を営む“山の者”ではあるが、複雑な勢力図を描く戦乱の波は“山の者”にも強く影響を及ぼしてくる。特に奇縁で諸勢力との縁の強い無坂は、常に微妙な立場で泳ぎ続けている。その秘訣は、諸勢力の目論見や裏の意図などを把握しつつもそれに欲得で組することなく、人を助けるという視点で動き続けるとこに敵味方なく好意を持たれるのだろう。里の影響を受けた“山の者”内部の歪みも時によって大きな不協和音として発現してくる。
さて、武田、上杉、今川、北条が覇権を争う中、新興の織田信長がその影響力を徐々に強めて来る。本作は、武田と上杉の数度にわたる「川中島の合戦」を背景に展開され、“山の者”の動きが中心の上巻は良いが、「川中島の合戦」が軸に描かれる下巻は里の戦乱に強く飲み込まれた感じで少々不満。特に後段は歴史的事象をなぞった感じを免れない。また、もう一つの注目勢力である“南稜七ツ家”の出番が少なく、時に“二ツ”の登場が全くないのが物足りない。次作・完結編、『嶽神伝[4] 風花 上・下』(講談社文庫、2019年10月16日、講談社)での巻き返しに期待する。
紙の本嶽神伝 鬼哭 上
2020/07/30 08:20
無坂を軸に描かれる“山の者”の活劇も後半に突入。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無坂を軸に描かれる“山の者”の活劇も後半に突入。基本的には里とは独立した生活を営む“山の者”ではあるが、複雑な勢力図を描く戦乱の波は“山の者”にも強く影響を及ぼしてくる。特に奇縁で諸勢力との縁の強い無坂は、常に微妙な立場で泳ぎ続けている。その秘訣は、諸勢力の目論見や裏の意図などを把握しつつもそれに欲得で組することなく、人を助けるという視点で動き続けるとこに敵味方なく好意を持たれるのだろう。里の影響を受けた“山の者”内部の歪みも時によって大きな不協和音として発現してくる。
さて、武田、上杉、今川、北条が覇権を争う中、新興の織田信長がその影響力を徐々に強めて来る。本作は、武田と上杉の数度にわたる「川中島の合戦」を背景に展開され、“山の者”の動きが中心の上巻は良いが、「川中島の合戦」が軸に描かれる下巻は里の戦乱に強く飲み込まれた感じで少々不満。特に後段は歴史的事象をなぞった感じを免れない。また、もう一つの注目勢力である“南稜七ツ家”の出番が少なく、時に“二ツ”の登場が全くないのが物足りない。次作・完結編、『嶽神伝[4] 風花 上・下』(講談社文庫、2019年10月16日、講談社)での巻き返しに期待する。