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2件
地の底のヤマ
著者 西村健
昭和三十八年。福岡県の三池炭鉱で大規模な爆発事故が起きた夜に、一人の警察官が殺された。その息子・猿渡鉄男は、やがて父と同じく地元の警察官となり、事件の行方を追い始める。労働争議や炭塵爆発事故の下、懸命に生きる三池の人々と、「戦後の昭和」ならではの事件を描いた、社会派大河ミステリー。
地の底のヤマ(下)
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地の底のヤマ 下
2021/09/08 09:31
予想外の展開でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
胸に鬱積するものを抱えながら刑事の仕事をする猿渡。不審な死を遂げた父の死因を再度調べ始める。ある日、在りし日の父を知る証言者が現れる。そして当時の刑事の捜査資料を入手し、追っていた犯人に迫る。しかし、そこでわかった事実は・・・。
父の死の真相、そして犯人、猿渡の家族が複雑に絡んだ事件でした。賑やかだった炭鉱の街から廃れた街へと変化していくところに時代を感じた。エネルギーが石炭から石油へと変化していく中でそこで生き抜く人たちの想いを改めて感じた。ちょっとヘビーな内容でしたが、非常に面白かった。
地の底のヤマ 上
2021/09/06 12:13
社会派作品はいいですね
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後の日本の復興の礎になった大牟田市の三池炭鉱での事件を描く。
・第一部 昭和四十九年 1974
浜辺で労働組合の幹部の死体が上がった。ただ、殺害されたのか、自殺あるいは事故だったのかわからないまま捜査は進んでいたのであった。猿渡は捜査本部に引き上げられ捜査を始める。父親が警察官として町の皆から頼られていたため、市民の協力をスムーズに得ることができた。そして漁師の証言から殺害場所を特定するが・・・。
・第二部 昭和五十六年 1981
昔の同級生の菅が検事としてR資金の捜査をするため大牟田にきた。そして猿渡に協力を求めてきた。内容は、今猿渡が探している犯人が見つかれば引き渡して欲しいということであった。R資金は資本家や経営者が自分たちの都合のいい結論を導き出すための資金であった。犯人とその資金の流れを追う猿渡は友人から提供されたR資金のリストを見て愕然とする。そのリストに載っていた名前は・・・。
炭鉱の世界のことがわからなかったのでなかなか進まなかったが、非常に面白かった。猿渡の父の死についてはこれからの展開に楽しみにしています。