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12件
親鸞
著者 五木寛之
馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。
超合本 親鸞(しんらん) 第一部・激動篇・完結篇 【五木寛之ノベリスク】
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親鸞 激動篇下
2012/01/15 00:00
帰京篇はあるのかしら?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回は承元の法難で親鸞聖人が越後に流刑になるまでを書き、今度は常陸から帰京するまでを書いているので、次は帰京して往生するまでを書かれるのだろうか。
恵信尼消息に出て来る恵信尼の見た夢と寛喜の内省に関する箇所、「御伝抄」に出て来る弁円について以外は作者の想像の赴くままに書かれた話である。登場人物も作者の創作した人物が多い。親鸞聖人や恵信尼について確実な内容は「教行信証」の末序や恵信尼消息、「御伝抄」と限られるので「正明伝」や「正統伝」といった本に頼る以外は創作するしかないだろう。
最後に「歎異抄」の著者である唯円房が出て来るので、次の帰京篇というべき本で重要な役割を果たすのだろうか。
親鸞 激動篇上
2012/01/14 17:00
親鸞の思考、苦悩、人間的情をエンタメとして描く
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
親鸞と聞いて難しい仏教の話と思ったが
エンターテインメントとして描かれ、二日間で一気呵成に読んだ。
流罪となった親鸞の前に、才も力もある人々が現れ、躍動する。
外道院金剛、彦山房、六角数馬、香原崎浄寛、宇都宮頼綱、
早耳の長次、鉄杖など、印象深い。
前作からの登場人物も絶妙な間で登場する。
越後や常陸の人びとと触れ合うなかで
親鸞は因果応報、念仏の意義、死後の世界、身分の平等などを考え
人々に諭していく。時にははぐらかされるかのように話が逸れ
不完全燃焼となるが、小説は一貫して「念仏とは、救済とは」
といったシンプルな問いを問いかける。
物語が進むにつれ、仏教的疑問が人生に深く交わっていく。
この小説では、答えを知ることではなく
問うことに意味があるのだろう。
親鸞の思考、苦悩、人間的情をたどりながら
中世の日本人が仏教になじむ姿を描く。
最後には念仏に出会わなかった人々さえ救済し
親鸞の度量の広さに惹かれた。
【期間限定無料】親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】
2015/02/16 17:47
親鸞
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キャシー - この投稿者のレビュー一覧を見る
親鸞がこれほど世俗的だとは思わなかった。五木寛之の世界に入り、これからさらに親鸞などについて読み進めていきたい。