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殺人ウイルスの謎に迫る!
著者 畑中正一
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鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、SARS、エイズ……医学が進歩した現代においても、人の命をたやすく奪う殺人ウイルスがたくさん存在します。本書では、現在どんな殺人ウイルスが世界中で人の命を奪っているのか、なぜ新しい殺人ウイルスが次から次へと登場してくるのか、その謎を豊富な図解とイラスト、写真でわかりやすく解説していきます。また、人はこれまで、ウイルスに対抗するためさまざまな予防法や治療法を開発してきました。ウイルスに対抗するために世界中の医師が研究している予防・治療の最前線も紹介します。さらにウイルスの中には細菌に感染する「バクテリオファージ」というものが存在します。本来、人間には無害の細菌であっても、このバクテリオファージに感染することで、とたんに人の命を脅かす凶悪な細菌に変身してしまうケースがあるのです。そして、その代表的な例が病原性大腸菌「O-157」です。このバクテリオファージの解説もしていきます。最終章では、そもそもウイルスとは何なのか? という核心に迫ります。地球上に最初に登場した生物は、遺伝子にDNAではなくRNAを利用していたという考え方があります。こんなRNAを利用している生物が存在する世界を「RNAワールド」と呼びます。そしてウイルスは、現在でもRNAを遺伝子として持つ唯一の存在。そんなウイルスは、すべての生物の始まりといえる存在の末裔である可能性もあるのです。著者は京都大学ウイルス研究所所長、塩野義製薬医科学研究所長、塩野義製薬代表取締役副社長などを歴任したウイルス学の権威、京都大学名誉教授・畑中正一氏。
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紙の本殺人ウイルスの謎に迫る! 新型インフルエンザはどうして危険なのか?致死率80%以上の凶悪ウイルスとはなにか?
2020/03/06 21:28
ウイルス
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
2020年3月6日現在において、中国の武漢から広まった新型コロナウイルスが流行している。本書が出た2008年12月24日時点においては、10年ちょっとしたときに、また別の新型コロナウイルスで世間が騒がれていることなど想像していなかっただろう。当時はSARSというやはり中国由来の新型コロナウイルスが流行っていた2003年から近かったので、その脅威が記憶に新しかったのだろう。
インフルエンザウイルスにせよ、コロナウイルスにせよ、人類が経験していないウイルスなどの病原体には弱いものである。それは当然に警戒しなければならないことを、人類は今回の武漢コロナウイルスによって認識することができた。しかし、風邪を軽視することも問題だ。風邪は誰でも年に数回は罹るだろうが、命にかかわるというものではないかもしれない。しかし、この存在が著しくQOLを低下させているのも事実ではなかろうか。本書は命にかかわるものを重視しているように思えるが、通常の風邪を引き起こすウイルスに対しても、やはり軽視せずに人類は何らかの武器などを持つ必要があるのではないだろうか。
個人的には、前半部分の人に対するウイルスは読みやすかったのだが、終盤の植物に対するウイルスなどの話題は読みにくいように感じた。これは、その部分が難解だからではなく、もともとの知識が私に不足していたからだろうか。やはり、植物に対するウイルスなどは普段あまり意識していない。しかし、確かに収穫量が減り、人類に多大な悪影響を及ぼす点では重要なことではあるかもしれない。その点は認識をした。