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発達障害グレーゾーンの部下たち
著者 舟木彩乃
発達障害に関する情報は多いですが、職場にいる彼らと共に仕事をすることについては、必ずしも正確な情報が広がっているとは言えません。本書のテーマである「グレーゾーン」は、発達障害の傾向がありながら、その診断が付いていない人たちです。なおさら正確な情報は、みなさんに伝わっていないのではないでしょうか。
グレーゾーンには、発達障害の人とは少し違った特性があります。
筆者はカウンセラーやアドバイザーとして、これまで行政機関・民間企業・病院などで、約1万人の悩みを聴いてきました。その中には、グレーゾーンの人たち、さらにその上司や部下に当たる人たちもたくさんいました。
グレーゾーンの部下を持つ上司が、部下の言動に振り回され、管理能力がないと評価されて悩んでいる。グレーゾーンの上司を持った部下が、上司の指示がコロコロ変わり、ストレスで会社に行くことが嫌になっている――最近では、職場でのこんなケースに対する相談が増えてきました。
本書は、主にグレーゾーンの部下を持った人に向けて書いていますが、グレーゾーンの上司を持ったときの対応法についても書いています。部下に関する相談は以前からたくさんありましたが、上司に関する相談は、国会議員や首長などのパワハラ報道をきっかけに増えてきた印象があります。
発達障害グレーゾーンは、社会に出てから発覚するケースが多く、職場のサポートには課題が多く残されています。本書は、発達障害グレーゾーンの特性から、彼らとの関わり方まで、職場で起こりうる事例をもとに分かりやすく解説しています。一方で、グレーゾーンの人たちが持つ特性をいかすことも組織全体の成長のチャンスにつながります。
※カバー画像が異なる場合があります。
発達障害グレーゾーンの部下たち
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2024/11/08 20:43
発達障害グレーゾーンとの接し方がよく分かる本
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投稿者:FIRSTMAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
舟木氏は、これまで首尾一貫感覚についての著作が多かったが、事例が多く職場での対応にとても役立っていた。記述も平易で専門用語を多用せず、読みやすくて気に入っていたので、SB新書「発達障害グレーゾーンの部下たち」も自分用と職場用に購入した。
最初から発達障害と分かっていれば、所属部署も同僚もそれなりに対応するが、「グレーゾーン」となると、ちょっと普通と違う部分が発達障害の傾向があることから来ていると、気付かないことが多い。そのため、グレーゾーンの本人は働き辛さを抱え、周りの社員は違和感を感じ、ときにはトラブルを起こすことにもなる。しかし、あらかじめ、それらが発達障害の特性に近いものからくることが分かったら、本人も周りも少しでも働きやすくなることだろう。
グレーゾーンへの対応法を、事例をもとに具体的に教えてくれるので、何か引っかかる人が職場にいたら、ぜひ読むと良いと思います。
今回は、あとがきで著者自身の体験を語っていて、メンタルヘルスの専門家であるカウンセラーがどうやって困難を乗り越えてきたのかが分かり、とても興味深かったです。