- みんなの評価
37件
魔道祖師
【時を超えた、運命の再会。】
かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。
それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。
正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまう。
自由奔放で快活な魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と、品行方正で寡黙な藍忘機(ラン・ワンジー)。
前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、なぜか彼はそばを離れようとせず――。
あの日の旋律が、再び二人を巡りあわせる。
※本作品には挿絵はございません
魔道祖師 4
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
魔道祖師 4
2021/07/31 19:04
これは箍が外れると箍が外れるBLなんだね!
20人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひっそりみーたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
長かった物語もいよいよ完結!!
よかったねーよかったねー!!!
魏無羨への藍忘機のクソデカラブも最高だし、魏無羨と江澄の兄弟愛もよかったよ!!!!!
あんまりネタがバレるのもあれなんで詳細は語らないけれども。
仙道で、生まれ変わりで、ファンタジーで、冒険で、ミステリーでしかもBLというお腹一杯欲張りセット、ごちそうさまでした!!!!!
あー、面白かったー♪
ところで、三巻から急にBL展開にアクセルがギャン! と入り始めたけど、4巻はすごいよ、今まで抑えてたぶんを大放出だった!!!!!
はぁー、立派にR18でした。
良い子には見せられないやつです。
本編終盤からすでにえろいです、18禁です。
魔道祖師あんまりえろくないって言ったの誰!?
一度そういうシーンに入るとかなりこってりしてるんですけど!?!?!?
びっくりした。感動のフィナーレが番外編に全部持ってかれた……。記憶飛んじゃったから一巻に戻って二周目してこようかな。
そうそう、4巻をポチっと購入キメたとき、ぼくは「最終巻だけなんかやけに高くね? でもまあ最終巻だからそんなもんかなー」と思っただけで内容確認しないでポチっちゃったから、公式薄い本(番外集)が同梱されてるのを見たとき、なんか得したような気がしてほっこりした☆
魔道祖師 1
2021/08/31 15:52
こんなにハマるとは思いませんでした
18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ましろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語は過去に世の大悪党として非業の死を遂げた主人公が、13年の時を経て蘇えるところから始まります。
何の因果か宿命か、再会した友人と共に現在(今生)と過去(前世)が交差する謎を解き明かしていくホラーサスペンスであるのと同時に、古代中国を舞台とした血筋を重んじる大河ファンタジーとしても楽しめます。
魂魄の概念がある、いわゆる仙侠小説ですね。
BL小説だということを忘れそうになるくらい、巧妙に組み立てられた壮大なストーリーとなっており、夢中になって読みました。
BLと言いましたが、1巻の時点ではまだ共に噂を辿り謎を追うバディものという感じが強め。
信頼という意味でメインふたりの距離が少しずつ近づいていく様子が丁寧に描かれています。
前世主人公の死が絡んでいく謎が謎を呼ぶ構成や、作為的なものに巻き込まれていくハラハラする展開に目が離せません。
主人公たちが飛び抜けた実力を遺憾なく発揮していく描写にはワクワクさせられますし、心身共に未熟な10代の少年組がいるからこそ、経験の差が顕著に見て取れるのも面白い。主人公世代の年齢設定も個人的にツボです。
また、この作品は13年の空白期間がある主人公視点で物語が進むので、その空白期間があるからこそ生じる環境(関係性)やキャラクター自身の、変化及びギャップが面白さを引き立てていると感じました。
それ故に共に行動することとなる、一番ギャップが激しい藍忘機の行動原理(心の内)が、はっきりと描かれないのも面白い所となっています。
ただ、この作品は無辜の民を殺すのは駄目だが等価復讐なら問題ないといった考え方が主流の世界観であり、かつ古代の物語ということもあって倫理観も割とぶっ飛んでいる部分があるので、たとえファンタジーでも倫理観において現実との齟齬が気になってしまうタイプの方には合う合わないが分かれるようですね。
装丁が美しく、ボリュームも400ページ弱、かつ2段組となっており読み応え抜群です。
文体も違和感なくとても読みやすく翻訳してくださっています。どちらかと言えばライトノベルのような優しい文体なのでページ数の割にサラっと読めますよ。
ただ会話ならまだしも説明文にも「!」が入るのは講談みたいだなと思ってしまいました。
また、馴染みのない言葉や道具にも文中に注釈が入っており、覚えにくいキャラクターの名前にも中国読みのルビが毎回振ってあるのが有り難かったです。
中国古典に詳しければもっと深堀りして楽しめそうな作品ですね。日本のファンタジーとのいわゆるお約束の違いもあって面白いですよ。
魔道祖師 3
2021/09/07 23:04
やるせないという言葉がピッタリはまる
17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ましろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
3巻ではようやく、主人公が何故悪名高い夷陵老祖となり、何故悲惨な最期を迎えたのかという過去が全て明かされました。
正道とは邪道とは、善とは悪とはというテーマが色濃く出ていて、過去の清算できない罪も相まって心がかなり抉られます。
残忍かつ悲惨な激動の過去編を経て、さらに現在でも罵詈雑言の嵐で、読み返すのがしんどいくらい心が沈んでしまうのですが、そんな過去があったからこその胸が熱くなる展開や、合間合間にご褒美かのようにBLというアメをくれる構成に脱帽です。
時たま入るこの要素によって、ああそういえばこれBL小説だったわ…と思い出させてくれます。それくらい凄惨な巻です。
3巻も現在と過去を行ったり来たりしますが、過去編を挟むことでその前後の現在のシーンに深く大きな意味を持たせている点が素晴らしいなぁと思いました。
そしてやられたら何倍も残忍にやり返す夷陵老祖の魅力がすごいです。
何でしょうあの陽と陰の絶妙なマリアージュは。
弁が立ち才能があり圧倒的強さも持っているのに、見えていないものが沢山あり、色々と上手く躱せない青さというか、完璧でない感じが人間くさくて良いですね。
過去編はみんな大切なものを守りたかっただけなのに、守ろうとすればするほど手のひらから零れ落ちていき、全て裏目に出てしまうのが本当にやるせない。
特に藍忘機との気持ちのすれ違い、江澄との立場と生い立ちの差からくる守りたいものとその守り方のすれ違いが辛かったです。
現在も過去も「正義」という言葉が自分の理想に当てはめた、ていのいい言葉になっており、各々が信じたいものしか信じない様子に何とも言えない気持ちになりました。
つくづく少年組の存在が有り難くて仕方ありません。過去の状況を口頭や書物(捻じ曲げられた真実も含む)でしか知らない、これからの未来を担う少年組がいるからこそ、この重苦しいストーリーに光を見出せるというもの。
彼らは他ならぬ魏無羨本人と、隣に立ち続ける藍忘機をその目で見てきたからこそ、噂ではなく自分の目で見て判断したことを信じるようになっていくのが良い。
義城で積み重ねた信頼は厚いですね。こういった変化の理由付けが丁寧に描かれているのが素晴らしいです。
そして今回印象に残ったのは藍忘機の「皆人間だ」というセリフ。
誰も彼もが魏無羨のことを、無情で人間離れした何かといったように良くも悪くも過剰に評価し、当然のように悪意を向けてくる世界と成り果てている中で、いつだって彼を普通の人間にしてくれるのは藍忘機なんだなぁと、今生における鉄壁の精神安定剤っぷりに感服しました。
そんな中で、前世では未来を考える暇も余裕もなかった魏無羨が、あのような未来予想図を思い浮かべていることに愛しくてたまらない気持ちになりました。
難攻不落であった魏無羨の正解ルートを選び取り、全幅の信頼を勝ち得た藍忘機に拍手。