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黄昏色の詠使い
彼女は、ずっと考えていた。人と関わらず、孤独な人生。それで、いいのかと。だから、決めたのだ。自分の“心”を形にして詠び出せる、名詠式を学ぶことを。そうすれば、少しでも彼に……何かを伝えられるかもしれないから――。『Keinez(赤)』・『Ruguz(青)』・『Surisuz(黄)』・『Beorc(緑)』・『Arzus(白)』――この五色を基本に、呼びたいものと同じ色の触媒を介し、名前を讃美し、詠うことで招き寄せる名詠式。その専修学校に通うクルーエルは、年下の転校生で、異端の夜色名詠を学ぶネイトに興味を抱く。一方、学校を訪れた虹色名詠士・カインツもまた、夜色名詠の使い手を探していて………!? “君のもとへ続く詠。それを探す”召喚ファンタジー。
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
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紙の本そしてシャオの福音来たり
2009/05/23 22:46
ドタバタ学園物語
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半はトレミア・アカデミーの日常を描いた短編で、本編ではあまり活躍の場を得られないサージェスやキリエたちクラスメートが暴れまわります。普段の雰囲気とはかなり違ってコメディ色の強い作品集。本編はどちらかというとストーリー性重視なので、番外編の方がキャラクターの特性を存分に生かせる気がします。
後半になると一転して普段の調性に変わります。カインツとイブマリーの思い出話や、新たなエピソードの導入となる短編。ネイトとシャオのニアミスです。
紙の本全ての歌を夢見る子供たち
2009/05/23 15:17
果たされる約束、帰る日常
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
空白名詠の真精に心を囚われ衰弱する一方のクルーエルは、より設備の良い研究所へと移送された。しかし、どうしても彼女から離れることを許容できないネイトは、学校を抜け出し、彼女の待つ研究所へと向かう。
すべては予定された出来事のごとく、研究所に集結する事件の関係者たち。眠れるクルーエルを目覚めさせ、灰色の王を還すことができるのか。
長く続いたエピソードも終結し繰り返される日常へと戻って行くのだが、二人の前に現れたアルヴィルが名詠の謎への扉を開く。
紙の本イヴは夜明けに微笑んで
2009/05/17 20:06
音色が生み出す世界
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赤青黄緑白の五色を触媒として、それぞれの色に関係したものを召喚する詠名式を学ぶ学校で出会った少年と少女。少女は未だ誰も実現したことの無い五色以外の夜色による詠名式を生み出すこと、少年は五色全てをマスターし虹色の詠名式を構築することを約束してわかれる。それから十数年後、クルーエルの通う学校に、十三歳の少年ネイトが転校して来る。彼は、誰も聞いたことがない、夜色の詠名式を専門にしていた。
世代をまたぐボーイミーツガール。色と詠を媒介とする召喚という力がある世界。才能を内に秘めながらもそれを発揮できない子供たち。文章ではその美しさを描写しにくい世界観ながら、まさに王道を突き進んでいる。
今回は世界観と現役世代のより一回り前の世代のキャラクターたちの背景を語るのがメインだったので、本来の主役たちの物語は次巻から始まるのだろう。
2009/05/24 18:51
二兎追うものは一兎をも得ないのか
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ファウマやエイダのエピソードなど、名詠の秘密に関する問題から少し外れた部分の描写が多く、実はクルーエルとネイトに関するお話の進みはゆっくり。この巻だけ見ると、まるでエイダが主役のような印象も受ける。
破壊を回避するための緊急避難的決断を下したクルーエルと、それに対するネイトの行動は、次巻に持ち越された。
紙の本百億の星にリリスは祈り
2009/05/24 13:07
知った上で何を求めるのか
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ネイトに、クルーエルに、エイダに、名詠式創成に関わる二つの意思と秘密が開示される。すぐそこまで迫る変革の時に対して、決断を迫られる彼ら。自らの望むものを守るため、自分は何をすべきか。カインツ達の参戦と、ミオ達の行動は何をもたらすのか。その答えは次巻で明らかになるようです。
2009/05/24 10:11
落ち着いて勉強もできない
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日常の学園生活に戻ったのも束の間、サリナルヴァの依頼により、ネイトとクルーエルは、再び孵石の中の触媒に関わることになる。新種触媒の披露会に出席するため、コロセウムの街エンジュを訪れた一行は、学生の模擬決闘大会に出場する学生、ヘレンとレフィスに出会う。
灰色名詠との再会、何かを伝えようとしながらも伝えられないアーマとアマリリス、そして、空白名詠の使い手シャオとその仲間たち。名詠の謎に関わる人々が集結したコロセウムで、新種触媒をめぐっての決戦が始まった。
冒頭では前巻のほのぼのした雰囲気をちょっと引き継ぎつつ、一気に物語は核心に向けて転がりだします。ラスト、対決の局面での引きはずるい。
紙の本踊る世界、イヴの調律
2009/05/23 12:50
期待と希望と実力
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原因不明の高熱に倒れるクルーエルと、彼女の看病を行うネイト。二人の周辺で起きる不可解な現象と、それを調べるために集まる<イ短調>のメンバーたち。そして、かつて知らされた孤島を訪れるカインツの前には、緋色の髪の少女が現れる。
名詠を司るセラフェノ言語に隠された始まりの謎が徐々に明らかになる度、これまでの常識は簡単に覆され、次々と脅威の存在が現れてくる。徐々に成長を見せるネイトは、彼と彼女の約束を果たせるのか。
次から次と場に強いカードが出てきて、さらにまだどこかにはジョーカーが隠れている感じなので、どうしてもシリアスに流されがち。でもそれを、学園長のライバルを登場させたりして、少しコミカルに和ませる雰囲気に持って行っている。一気に展開しないのはどこかもどかしくもあるけれど、それだけ大切に物語の世界を描いているということでもあるだろう。
2009/05/21 21:39
危険な状況で無力な存在を成長させるには
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1巻で登場した強力な名詠の触媒である孵石、2巻で登場した灰色名詠、そしてイブマリーとカインツがそれぞれ遭遇した存在たち。これらの要素が、学園への侵入者、クルーエルの能力の開花、ネイトの成長という出来事をキーとして、一つの流れを生み出しつつある。
実はこの物語で最も重要な人物は、エイダなのではないかと思う。彼女がいなければ、数々の襲撃に対してなすすべもなくやられるだけだったろう。終盤になると、どうしてもクルーエルやネイトが派手に描かれがちだけれど、これからも最後の守り手として活躍していくだろう。
紙の本奏でる少女の道行きは
2009/05/18 23:42
選ばれし者の選ぶ道
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
1巻目で世界観の説明は終了かと思いきや、今回は名詠と対になる存在である祓名の解説。クルーエルらと同じ学校で名詠を学びながら、祓名民の本家の総領娘でもあるエイダの葛藤を軸に、世界観の補強をしていきます。
夜色名詠と過去でつながっている合宿先での事件を発端に、新たなトラブルの種が蒔かれたようです。
紙の本イヴは夜明けに微笑んで
2007/09/29 22:09
目標と能力の差
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投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
名詠というモンスターなどの召喚術を学ぶ学園での物語
名詠という名前や詩は良く考えてあるとは思いますが、マンティコア・ペガサス・ヒドラといった既存のモンスターをただ出すだけできちんとした描写もないのがひどくゲーム的に感じ、物語のイメージと合わない様に思いました
ファンタジーとしての立ち位置をもっとよく考えた方が良かった
文章としてもキャラが立ってもいないのにやたらと視点を変えるため、同じ場所で行ったり来たりする印象がある
また急に敵モンスターの心理描写や化学的な説明文が入っているのに違和感を感じます
綺麗な物語を書きたいのだと思うのですが、その前にきちんとした文章が必要ですね