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40件
おやすみなさい、また明日
著者 凪良ゆう
「俺はもう誰とも恋愛はしない」。仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎(さくたろう)は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…? 戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!? 今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!
おやすみなさい、また明日
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おやすみなさい、また明日
2014/01/26 02:51
号泣しました
16人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:milika - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただのBL小説ではありません。
愛する人へ一生かけて愛を証し続けたふたりの愛の物語です
痛みを知っている人には この二人の人間らしい弱さや辛さ
散りばめられた会話や文章から共感できるはずです
弱いからこそ強い
自分だけでは人生は長く生きられないけど、愛する人の為なら
頑張れるし強くもなれる
そんな相手を見つけた2人は 幸せな人生だったと思うのです
羨ましく思いながら、ただのハッピーエンドではないホロ苦さ
それがこの究極の愛の物語に深みを与えているようにも思うのです
人は年を取ると、失うものも それでもそれを受け入れる何かも
身につけていくのかもしれません
この作品は 大人には涙なくしては読めないものですが
絶対読んで欲しい作品です
おやすみなさい、また明日
2014/03/24 13:13
どんなお話か決めるのは読んでから。
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:柚月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずはじめに、私はどんなジャンルに分類された本でも、絶対に先入観なしで、変な期待もせずただ読みます。
こういうの読みたくて買ったけど、期待してたのと違った…という人はもったいないことしてるな、と思うので。作者様がどんな想いでこのお話を書いたのか、どんな風に受け止めようか、大好きになれたらいいな、そう思って読んでいます。
ところで凪良ゆうさんはいつも素晴らしい作品を描かれる方だな、と思っていましたがここ最近の本はイマイチぴんとくるものがなかったのです…実は。
ですが、この本を読んで買い続けていて良かった、やっぱり凪良さんは最高の作家だ!と思いました。
もう1ページ目から話に吸い込まれました。
つぐみさんが10年くらい同居していた恋人に、あんまりな理由でふられ、小説もスランプ気味になって…人生リスタート、35歳からできるのかなという不安がひしひしと伝わってきました。
祖父が大家をしている朔太郎と出会い、引越し先が決まり…物語がそれはもう美しくころころと転がって夢中にさせます。
つぐみさんはいつの間にか、一緒にいられなくても、忘れられたとしても、愛し続けようと思い、「朔太郎さんのこと」を小説にします。手書きで。朔太郎さんが今日話したことを忘れてもカタチにして残したという健気さにじーんとします。
朔太郎さんもつぐみさんのことが好きだけど記憶障害のせいで色々と葛藤してばかりでした。
こんなに相手のことを思いやれる相互関係、なかなかないですよね。
小説でここまで切実な関係を描ける人もあまりいないと思います。
そして最後のSSは私にとって理想的でした。
常々、ハッピーエンドを読んでいると「このあとも二人は幸せに暮らしましたとさ」、という確信めいた未来風景が欲しいなと思っていたから。
このSSを読んでBLらしくない終わり方、現実的なのは嫌だと感じる方もいそうですが、むしろ軽々しいお決まりのハッピーエンドじゃなく、つぐみさんと朔太郎さんらしい人生の終着点まで読めたことを本当に嬉しく思っています。
この本を読み終えて、浦島太郎のような気分でしたよ笑
ふたりの人生をずっと夢中で見つめていたからか、ここどこだっけ、今って…あれ?みたいな笑
とても愛しくなる、優しいお話でした。
どうか偏見や期待、予想もせずにこの本を読んでみて欲しいです。
おやすみなさい、また明日
2014/01/30 00:11
ただのBL小説ではない・・・
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桜丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
涙もろい私は、物語の後半から何度も涙で文字が読めなくなり
早く読みたいのに文章を読み進められない状態でした。
愛しているにもかかわらず、病を抱えての今後を考えつぐみを諦めようとする朔太郎。
愛しているが故に、朔太郎の拒絶を理解し・受け止めて彼の前から姿を消すつぐみ。
しかし、つぐみは朔太郎を想いながら、出版するつもりもなく、読む人もいない
朔太郎を題材にした短編小説を書き始めますが、
これが後半からSSへの鍵になっていくと思いました。
物語はハッピーエンドで終わりますが、作者があとがきに書いているように
このSSの終わり方は、賛否が分かれるかもしれません。私は賛成派です。
ふたりが、その後幸せに過ごせたのを読んで、嬉しくて泣きました。