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俺の妹がこんなに可愛いわけがない
著者 伏見つかさ(著者) , かんざきひろ(イラスト)
俺の妹・高坂桐乃は、茶髪にピアスのいわゆるイマドキの女子中学生で、身内の俺が言うのもなんだが、かなりの美人ときたもんだ。 けれど、コイツは兄の俺を平気で見下してくるし、俺もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。 キレイな妹なんかいても、いいことなんて一つもないと、声を大にして言いたいね (少なくとも俺にとっては)! だが俺はある日、妹の秘密に関わる超特大の地雷を踏んでしまった。 まさかあの妹から “人生相談” をされる羽目になるとは──!?
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(17) 加奈子if
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1
2011/02/05 11:06
実際の妹がこんなに可愛いわけがない
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
通称「俺の妹」。シリーズ第一作。
今から約3年前にスタートしたシリーズであり、当時は前評判等全くない状況でたまたま手に取ったという読者が多いと思うが、まさか、その後メディアミックスでTVアニメ化、PSPゲーム化にまで至るとは思いもしなかった。
上手く時勢に乗った結果であろうが、とにかく2010年後半からの動きは怒涛の一言。
作品としては、主人公の高校生とその妹を巡るコメディであり、主要登場人物は、至極まともな高校生男子である高坂京介と、イマドキ中学生の妹・桐乃。
ヒロインでもある桐乃は、いわゆる「ツンデレ」の「構ってちゃん」であり、物語の冒頭からツンツンしっぱなしの状況。最近は特に兄弟関係は疎遠であり、むしろ、険悪ですらあったが、ある事件をきっかけに、妹・桐乃が兄・京介へ「人生相談」するところから物語は動き出す。
ツンツンと尖ったつれない姿勢の人が、時折、デレデレ(照れ照れ)と全く違った顔をみせるというギャップのある態度をもって、ツンデレという言葉が生まれたが、本作はそんなツンデレキャラを主軸に据えた作品。
巻を増すごとに新たな人物たちが登場してくるが、いずれのキャラクターも、それぞれ人には言えない内面を隠し持っており、各巻の主題は、その内面をさらけ出した後の後始末といったところ。それらは必ずしも「ツンデレ」というわけではないが、表裏のギャップを持っているという点では共通か。
この作品としての面白さは、上記した通り、表面と内面のギャップを抱えた登場人物たちの「悩み」を、不器用ながらも全力で解決に走る主人公・京介の奮闘する熱い姿や、妹・桐乃以下「萌えキャラ」が作品狭しと縦横に走り回る姿の愛らしさにある。
また、作風としては、明らかに電撃文庫のお家芸「萌え作品」ながらも、著者の入魂振りが鮮明に分かる作品でもあり、第1巻での「事件」における父親の厳しい言葉や、本作の続刊である第2巻における「出版社への原稿持込」のシーンなどにおいて、ご都合主義で話を塗り固めるのではなく、他の作品においては、ご都合主義の下で伏せられている厳しい現実を白日に晒して、読者に対して問題を投げかけている辺りに、単なるムーブメントではないプロ作家としての著者のプライドを感じる。リアリティをほんの僅かだが紛れ込ませることで、上手くアクセントになっている。
時に材料としては、決して扱いやすくはないテーマを、この萌え作品に溶け込ませて、話の彩りに添えている点を、私はこの作品のもう一つの面白さであると感じている。
とはいえ、作風が作風なので、万人受けはしないと思う。特に「キャラもの」がメインの作品であることは確かなので、それが受け付けられない人には向かない。
また、表紙からして典型的なオタク向け作品なので、レジに持っていくのが恥ずかしい人にも向かない。(そういう人はbk1で購入して下さい)
但し、裏を返すと電撃文庫らしい作品ということでもあるので、そういった作品を求めている人は、是非一読を。
どうしても、TVアニメから入る層が多いため、文字ばかりの小説原作は、人によっては手に取りにくいかもしれないが、作品としては1巻よりも続巻の話の方が物語として面白い。それゆえ、全ての始まりという意味において、この第1巻は外せないと思う。
お試し気分でまず第1巻を。
もし、読了後に続きが気になるようであれば、一気に残りの巻を買って読んでみて欲しい。第1巻でアレルギーが出なければ、恐らく、その読者はこの作品に対して免疫を持っているはずだ。シリーズ全作読み通せるはずだ。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9
2012/01/24 12:51
視点が違うからこそ見えること
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
8巻のエピソードからその後の展開について、高坂京介以外のキャラクターの視点から見た、おおむね連作短編集。所々に、キャラクターの関係を形作った過去のエピソードが織り込まれている。
普段はセリフでしか知ることのできない京介以外のキャラクターが語り部を任めることで、素直になれない微妙な属性で括られるキャラの意外な本音が詳らかになると言う意味で面白い試み。でもおかげで、思わぬところから変なフラグが立ってきちゃうかも。
個人的には、田村麻奈実の本音を引き出したエピソードがあると良かったのだけれど、あやせも加奈子も登場したのに彼女が登場しないと言うことは、今後の本編での重要な要素になるのだろうな。麻奈実の本音、聞くのが楽しみなような、怖いような…。
「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」
高坂京介と黒猫こと五更瑠璃が付き合って別れたあの騒動を、妹の日向や珠樹のポジションから眺めたら?というB-sideのストーリー。全く姉のコミュ能力を信用していない日向は、黒猫のあれやこれやの言動を、お姉ちゃんが脳内彼氏を作ってぶっ壊れた!と解釈しちゃいます。でも最後には…。
「真夜中のガールズトーク」
前編の続きを今度は高坂桐乃の視点で。黒猫一家と同じ旅館に泊まることにした桐乃は、同じ部屋でガールズトークを繰り広げる。一方、別部屋では、黒猫の両親と差し向かいになる京介の姿があった。
「俺の妹はこんなに可愛い」
赤城浩平と京介の、瀬菜と桐乃の可愛さを自慢しあうだけのお話。最後に瀬菜が、結構取り返しのつかないことをしちゃう。
「カメレオンドーター」
槇島沙織が沙織・バジーナとなるきっかけの出来事。彼女にオタクの世界を見せた姉・槇島香織と、彼女にグルグル眼鏡を与えた来栖彼方とのエピソード。来栖彼方には月見里がんまという別名もある。
「突撃 乙女ロード!」
高坂桐乃が赤城瀬菜に乙女ロードへ連れて行かれる。ある意味で、浩平と京介のB-sideストーリー。
「過ちのダークエンジェル」
来栖加奈子の依頼で、イベントに京介を呼ぶことになった新垣あやせ。あやせの複雑な思いがグルグルと巡ります。結局、自分にやさしいおにいさんが欲しいだけなんだろうな~。すると桐乃と同じか。
「妹のウエディングドレス」
これが表紙のエピソードにして、前編の続きで桐乃視点の物語。嬉しいような恥ずかしいような気持ちだけど、そこを通り越してなれちゃうと、きっと戻れなくなるよ?
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 7
2010/11/11 23:12
恋愛編に突入?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サンド - この投稿者のレビュー一覧を見る
安定した面白さでした。
兄と妹の関係がテーマのこの作品、本巻でも兄の京介が妹の桐乃に思いっきり振り回されていきます。桐乃の言動は相変わらずきついわけですが、どうみても兄が好きなようにしか見えないのはどうしてでしょうか・・・
同じように、京介の友人の赤城浩平が妹の瀬菜に振り回され、暴走してしまうという話も出てきます。こちらは携帯という道具を使った演出でくすりとさせてくれました。この作者、こういう小道具を使った話が上手ですね。
全体は4章に分かれており、1章が桐乃編、2章があやせ編、3章が夏コミ編で4章がクライマックスという構成になっています。
桐乃のツン、あやせのツン、黒猫のデレが見たい方、一読して損はしないと思います。