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アイドライジング!
アイドライジング。それはアイドルたちが夢と希望を懸けて戦う、一大エンターテインメント! 科学技術の粋を集めて作られたバトルドレスを纏い、美少女たちはステージを舞う──! 『さぁ始まりました! 今夜はなんと採れたてぴちぴち産地直送アイドルの登場です! 彼女の名前はアイザワ・モモ! とある事情で72万円が必要になり単身上京してきたばかりのモモちゃんは、ファッションモデルもびっくりな恵まれた体躯だけでなく、何より素朴で元気いっぱいな人柄を気に入られて急遽株式会社ミニテックスのアイドルになったそうです! そして彼女を支えるのは若手プロデューサーのオウダ・サイ! 果たして凸凹二人三脚でどのような戦いを見せてくれるのでしょうか!? そして襲い来る難敵に打ち勝つことができるのか──!』
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紙の本アイドライジング! 2
2011/10/18 21:22
共通の敵に挑むライバルたち
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある目的のために70万円が欲しくて田舎から上京してきた女子高生のアイザワ・モモは、幸運にも恵まれて、アイドライジングという舞台で広告塔として戦うアイドルとなった。転入した鳴谷鶯高校には、同じアイドルのハセガワ・オリンもいて大喜び。いつでもどこでもオリンにくっ付いて行こうとする。
一方、オリン側から見れば、ちょっと背が高いだけなのに自分より目立つモモが気に食わない。何より、妙に馴れ馴れしくして来るのがもっとも気に入らない。そんなわけで、見かけとは正反対の腹黒さでモモに当たるのだが、のんびりした環境で育ってきたモモには全く皮肉は通じない。
そんな折り合わない二人に突然届いたのは、ダッグマッチナイトのお知らせ。オリンとモモがパートナーとなり、双子のアイドル、ユウゼンジ・アレコとユウゼンジ・ナギコのコンビと対決することになったのだ。
チームワークなどという言葉とは無縁の二人(主にオリン)は、当然のことながらアレコとナギコに翻弄され、手痛い敗北を喫してしまう。しかし、それで終わるモモではなかった!
モモからすればオリンと友達になろう作戦、読者から見ればオリンをデレさせよう作戦の始まり。共通の敵に対してライバル同士が協力するというのはヒーロー物の王道といえるが、その主役の一方は、あのオリンなので、一筋縄にはいかない。そんなオリンをやる気にさせる裏事情が仕込まれているのだ。
1巻で愛嬌のあるヒール振りを見せ付け、モモの主役を奪った感があったオリンだが、ここに正式に主役となったといえる展開になっている。
時節柄もあり、個人的には公共交通機関のエネルギーがゴミ処理施設でまかなわれているという設定も興味深かった。
紙の本アイドライジング! 4
2015/09/15 11:23
近くだから気づかないこと、感情が曇らせること
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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オペラ・オービットから挑戦者ムラサメ・キジョウを迎えたクイーン戦はマツリザキ・エリーの三連覇に終わり、シブースト・エアライン、ビスケット・アベニューを含めて今年のアイドライジングはシーズンオフとなった。室長のキムラ・ユウガクの勧めで、アイドライジング協会の保養所である海沿いの温泉地に小旅行に出かけることになったアイザワ・モモとプロデューサーのオウダ・サイは、旅先でハセガワ・オリンやマツリザキ・エリーに出会う。
のんびりと温泉でいちゃいちゃぺろぺろ行為に勤しもうと思っていたモモだったが、突如、新人賞決定戦にエントリーされてしまい、もう一人の候補であるミジョウ・レンゲと戦うことになってしまう。
モモのバトルスーツとは相性の悪いトリックアーツを持つミジョウ・レンゲに対する作戦を練るため、部屋にこもりっきりになってしまったサイに放り出されたモモは、エリーの指導を受けることになる。
そしてもう一人、モモのライバルを自称するオリンも、モモの助けになるため、ツンデレーションを起こしながらも、ミジョウ・レンゲとのエキシビションマッチ仕掛けて情報収集しようとする。
周りのサポートをふんだんに受けつつも、ミジョウ・レンゲの悪意ある惑わしに翻弄され、自ら見方を敵にしてしまうモモに、アイドルとしてふさわしい戦いをすることが出来るのか?
せっかく温泉地に来たのに、タキ・ユウエンの欲望は行き先を失ってしまっているな…。
紙の本アイドライジング! 3
2015/08/24 10:02
モモが歩むべき道
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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アイドルたちが通う鳴谷鶯高校に学園祭・煌輝星祭の季節がやって来た。アイザワ・モモたちのクラスは、天然系元気メイドのモモと、小悪魔系ぶりっ子メイドのハセガワ・オリンを二本柱とするメイド喫茶で勝負をかける予定だ。
学園祭を楽しみにするモモだったが、そんな彼女のもとをタキ・ユウエンが訪ねてきて、前回の貸しの代償として、学園祭のチケットと、期間中のモモのデート権を要求してくる。楽しみな学園祭が、モモの貞操の危機になった瞬間だ。
そして学園祭の一週間は、オペラ・オービットのエリザベス予選が開催される期間でもある。ニライカナイはそれらを目当てにやってくる観客でいっぱいだ。マツリザキ・エリーへの挑戦権を賭けて、タキ・ユウエン、ムラサメ・キジョウ、ウルシダニ・ユカリが激突する。
しかし、モモとのデート中、はしゃぎ過ぎたユウエンが足を骨折、代役の覆面アイドルシルヴァーナとして、モモがエリザベス予選に参戦することになってしまう。
前半はあの手この手でモモに魔手を伸ばしてくるユウエンの手練手管を堪能し、後半はモモをアイドルとして成長させようとするユウエンの深慮遠謀?に心服する展開だ。しかし、モモはアイドライジングに勝利の価値しか見出しておらず、なぜアイドルが戦うのか、その理由を深く考えたことはない。それもこれも、デビュー以来、彼女に良い風が吹きすぎてしまった悪影響なのかも知れない。
だが所詮、彼女はデビューしたばかりのひよっこ。地力の勝負になれば敗北は必死。しかも相手は高校生くらいの女の子たち、理性だけでコントロールできるわけもなく、その感情のぶつかり合いが思わぬ方向に向かってしまうこともある。
そんな時に過ちを修正してくれるのは、やはり信頼できる仲間・宿敵しかいない。落ち込むモモに対してかけられる言葉が、彼女のあるべきアイドル像をモモに気づかせてくれるのだ。
裏表紙の、モモに着せる水着を嬉々として選んでいるタキ・ユウエンの、イラストのテーマがすごく良いと思う。キャラクター性がよく出ているイラストだ。
今回、ハセガワ・オリンの色物ぶりはちっとも見られなかったな…。
紙の本アイドライジング! 1
2011/04/23 07:51
アイドル少女の成長物語
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
最新アイドルは歌って踊るだけじゃない。企業の最先端技術を結集して作られたバトルスーツを身にまとい、アイドル少女たちがキャットファイトを繰り広げる舞台がアイドライジングだ。
とある事情から1ヶ月で72万円を手に入れたい高校一年生のアイザワ・モモは、アイドライジングのこともよく知らず、手っ取り早く稼げそうだという理由で、アイドルオーディションの最終選考に飛び入り参加しようとする。
当然そんな横入りは出来ようはずもないのだが、180cmを超える身長とテーマであるマンガの主人公とそっくりだったことがスポンサーの一人に気に入られ、本来の合格者であるハセガワ・オリンを押しのけて、アイドルとしてデビューすることになる。
モモのプロデューサーとしてつくのは、身長140cm以下のオウダ・サイ。アイドルについて何にも知らない、山形から出て来た天然少女と、ちっちゃいプロデューサーのコンビは、果たしてアイドライジングという舞台で輝くことができるのか?
読み始めて一番に思いだしたのが「エンジェリックレイヤー」だった。この作品では少女同士が戦うけれど、技術の結晶をぶつけ合うというところは似ているなと思った。
読み進めていくうちに感じたのは、非常に動きを意識した表現というか、アニメ的マンガ的な描写の仕方だな、ということ。日曜朝に放映されていてもおかしくないというか。
一言で言うと、イラストも含めて、電撃文庫のこれまでの傾向からは少し違った作品だと思う。色ものっぽく扱われているハセガワ・オリンというキャラクターも含めて、少年的というよりは少女的な印象を受ける。
では面白くないかというと、決してそんなことはない。立ちはだかる強力なライバル。成長していく主人公。仲間との友情。敵と味方を分ける確執など、様々な要素が盛り込まれている。
大賞受賞作と含めて考えると、今後の電撃文庫の編集方針が透けて見える様な作品だと思う。