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5件
ホビットの冒険
著者 J.R.R.トールキン , 瀬田貞二
ひっこみ思案で気のいいホビット小人が,思いがけない旅に出る雄大な冒険物語.魔法使いガンダルフのたくみな誘いにのせられ,13人のドワーフとともに旅立ったビルボは,けわしい山々や闇の森を越え,竜に奪われた宝を取り返しにゆく.古代北欧の伝承の影響を色濃く残すファンタジー.世界25カ国語に翻訳されている.*本書は、2014年に刊行された電子書籍版『ホビットの冒険 上』『ホビットの冒険 下』(全2冊)を1冊の電子書籍にまとめたものです。
ホビットの冒険
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ホビットの冒険 新版 上
2006/11/17 22:10
作者も時としてワインのように熟成するということ
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「指輪物語」の前作という位置づけだろうが 読んでみると ある意味では全く違う作品であることに驚く。
「ホビットの冒険」は子供向けに書かれた素晴らしいファンタジーであることは論を待たない。実際 ホビット達が冒険を続け、ドワーフと共に龍を倒すという話は読んでいて心が躍る。自分の子供にも是非読ませたい作品だ。
一方 この話を発展して出来上がった「指輪物語」は 素晴らしいファンタジーだが 完全に大人向けである。例えば ガンダルフを比べても分かる。「ホビットの冒険」ではただの(と言ったら失礼だが)魔法使いである。しかし 「指輪物語」では 根源の悪と戦う「戦士」と言って良い。
この作風の違いの理由を考えると これはもう 原作者トールキンの「熟成」としか言えないと思う。彼も「指輪物語」を書き出した段階では 子供向けファンタジーのつもりだったのかもしれない。実際 トムボンバディルが出てくる辺りまでは 「ホビットの冒険」に雰囲気が似ている。しかし その後 フロドが負傷した辺りから がらりと雰囲気がシリアスになっていく。トールキンが書いているうちに ペンが勝手に新しい作品を書き始めた感すらある。
「ホビットの冒険」は素敵な話だ。リラックスして読める。その後のビルボを知っている僕らにしても。
ホビットの冒険 新版 上
2014/03/13 09:06
面白かった!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供向けとはいいながら、ぐいぐいと読ませる本。
ホビットの冒険 新版 上
2002/07/31 22:02
竜退治とお宝探し
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『指輪物語』の前日譚。『指輪物語』をより深く味わうた
めに読んでおこう、などと、まるで添え物のように言及されること
が多い。しかしそれは少々可哀想である。『ホビットの冒険』もま
た、冒険あり、喜びと哀しみありの、ちゃんとした完全な物語なの
だから。
軽妙な語り口で面白おかしく語られる物語は、わかりやすい、スト
レートなプロットだ。ホビット庄から、はるか彼方のはなれ山まで、
ドワーフたちが竜に奪われたお宝を取り返しに行くのだ。これは、
その、ゆきて帰りし物語である。
完全な善人でもなく、もちろん完全な悪人でもないリアルなキャラ
クターたちは、とても人間臭くて共感が持てる(ガンダフルでさえ、
お宝には目を輝かすのだ)。旅路と共に移ろいゆく季節、暗闇の怖
さと光の大切さや、食べ物がないことがどんなに恐ろしいかなど、
文明世界に暮らす私たちが忘れてしまったことを、色々と思い出さ
せてくれる。この物語のもつ、リアルで高級な世界観は至宝のもの
だ。
この物語がもっとポピュラーになって、子どものうちにみんな読ん
でいるようだと良いのにと、つくづく思う。