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前田利家と妻まつ
著者 中島道子
戦国時代の夫婦の物語といえば、豊臣秀吉とねねの話が有名だが、秀吉夫妻と終生の親交を結んだ前田利家と妻まつの歩みも、「ミニ太閤記」とでもいうべき輝かしい出世譚である。若気の至りで主君・織田信長の勘気をこうむり、足軽長屋に暮らしはじめた利家とまつ。まさにゼロからの出発だったが、実直・律儀に忠義を尽くす利家は、やがて帰参を許され、信長の計らいで前田の当主となる。その後、戦場往来の日々に生きる利家を、妻まつはしっかりと支え、二男九女を育て上げていく。信長の横死、秀吉の台頭と天下統一という激変のなか、利家は「加賀百万石」の大名として豊臣政権の屋台骨を支えるようになる。だが秀吉が没し、利家も後を追うように病没すると、加賀前田家の存続をかけたまつの闘いが始まるのだった。2002年のNHK大河ドラマは「利家とまつ」に決まった。女流作家ならではの繊細な筆づかいで、テレビに先駆けて戦国の夫婦の物語を描く力作。
前田利家と妻まつ
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前田利家と妻まつ 「加賀百万石」を築いた二人三脚
2015/09/28 19:02
一人の夫・父親としての前田利家。
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投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
大河ドラマ「利家とまつ」が放送された時に書かれたもの。原作ではないが、利家とまつが幼い頃から支え合って出世し、加賀百万石の大藩の礎を築くまでが描かれる。利家も若き日の信長にこき使われたり、人並みに出世競争に励んだり、一揆との残虐な戦いに倦んだり、友人の秀吉と恩人の柴田勝家の間で悩んだり、子供の行く末に頭を痛めたりと、一人の人間としての姿が描かれていて良かった。もう少し領国経営とか大名としての面も欲しかった気もする。紙書籍は絶版らしいのは残念。