サイト内検索

詳細
検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、年齢認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

  • みんなの評価 5つ星のうち 3 1件

「市民」とは誰か

著者 佐伯啓思

「市民」のためと銘打つ政党が結成され、また、外国人ジャーナリストによる官僚社会批判が「市民運動」のテキストとしてベストセラーとなる現代日本。そこで描かれるのは、権力を我がものとする官僚VS「市民」が主役の民主主義、という構図である。「市民」が、単なる「都市の住民」であることを超えて、神聖な存在に祭り上げられた思想的背景とは何だったのだろうか? 戦後日本の思想の歪みを鋭く衝いた意欲作。

「市民」とは誰か

税込 640 5pt

「市民」とは誰か

ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは

ほしい本に追加(値下がりすると通知がきます)

ご利用中のデバイスが対応しているかご確認ください

  • ブラウザ
  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac

対応デバイスごとのコンテンツタイプやファイルサイズヘルプ

オンライン書店e-honとは

e-hon

hontoは「オンライン書店e-hon」との連携を開始しました。
e-hon」は書籍、雑誌、CD、DVD、雑貨といった多岐に渡る商品を取り扱う総合オンライン書店です。130万点以上の取り扱い点数、100万点以上の在庫により、欲しい商品を買い逃しません。honto会員向けにお得なキャンペーンを定期的に実施しています(キャンペーンに参加するにはMy書店をhontoに設定して頂く必要があります)。
・まだe-honの会員ではない方
下記リンクからe-honへ遷移し会員登録する際に自動でhontoがMy書店に設定されます。
・既にe-honをご利用いただいている方
「マイページ」-「会員情報の変更」-「My書店の変更」に進み、検索窓に「honto」と入力し、検索結果画面で会員登録ボタンを押すことでMy書店がhontoに設定されます。

e-honで紙の本を探す

※外部サイトに移動します。

対応デバイス毎のコンテンツタイプやファイルサイズ

対応デバイス コンテンツタイプ ファイルサイズ
ブラウザ EPUB
iOS EPUB 8.2MB
Android EPUB 8.2MB
Win EPUB 8.2MB
Mac EPUB 8.2MB

読割50とは?

hontoネットストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂の提携書店にて対象の紙書籍を購入すると、同一の電子書籍が紙書籍の購入から5年間、50%OFFで購入できるサービスです。
購入時点で電子書籍が未発売でも、紙書籍の購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。

または読割50のアイコンがついている商品が対象です。

一部、対象外の出版社・商品があります。商品ページでアイコンの有無をご確認ください。

  • ※ご利用には、honto会員登録が必要です。
  • ※書店店頭でのお買い物の際は、会計時にレジにてhontoカードをご提示ください。
  • ※hontoが提供するサービスで、販売価格の50%OFFを負担しています。

読割50について詳しく見る

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー1件

みんなの評価3.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

「市民」とは誰か 戦後民主主義を問いなおす

2001/02/27 22:18

市民概念の重層性

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る


 著者は本書で、ヨーロッパの市民概念の重層性について論じ、その起源をなす古代ギリシャの都市国家におけるそれを「シヴィック」と、近代国民国家におけるそれを「シヴィル」とそれぞれ名づけている。ここでいう「シビック」とは、ポリスにおける公的関心や共同利益という次元から出でくるもので、日本語の「公民」に近いのに対して、私的権利や私的関心などから出発した近代的な「シヴィル」は、むしろ「私民」とでもいうべきものを指している。

《われわれ戦後の日本人は、もっぱら、近代的な「市民=シヴィル」を進んだものとして受け入れようとしてきた。「市民社会=シヴィル・ソサイエティ」は、われわれが西欧から学んだ理想のモデルであった。しかし、実際には、ヨーロッパにおいては、近代的な「市民=シヴィル」の背後に、確実に古代的な「市民=シヴィック」がある。……ヨーロッパ人は誰も自分を「市民」だなどということは意識しないであろう。しかし、それにもかかわらず、「市民意識」というものをわれわれはヨーロッパ人に確実に感じることがある。これは「市民=シヴィック」の精神がいちいち論じる必要もないぐらいに、身体になじんでいるからであろう。ここにヨーロッパの歴史の、あるいは精神の習慣の力を感じ取ることは容易である。》

 近代ヨーロッパにおける「市民=私民」(そこには、自由な市場システムのもと、ひたすら私利私欲を追求する合理的・打算的な経済人の一面が潜んでいる)の背後にはりついた古代的な「市民=公民」の精神。これを一言でいえば、個を超える公共的な事柄への関心に根ざしたもの、つまり具体的な経験を通じて歴史的に形成された「公共性」の精神にほかならないだろう。

 しかし、このような精神の習慣としての市民意識、すなわち「市民精神」は西欧固有のものではない。佐伯氏は、晩年の福沢諭吉が「痩我慢の説」で、一国の独立を支え文明の基盤をなすものは一身の独立であり、その根本は日本古来からの精神の伝統としての「士風」(一家、一国の存亡の危機において、敗北を恐れず死を賭して抵抗する気風、すなわち痩我慢)にあると唱えたことに注目している。

《むろん、それを日本の「市民精神」だ、などという気は毛頭ない。しかし、西欧の「市民精神」の同位対応物とでもいおうか。「市民」ではなく、むろん「私民」でもなく、いわば「士民」のようなものとでもいうべきであろうか。福沢のいう「上流士人の気風」は、文脈は異なっているものの、西欧における「市民精神」に本来、対応すべきものであったのではなかろうか。》

 佐伯氏が主張しているのは、「日本古来の精神」の再興などではない。現代日本で日常語として使われるようになった西欧由来の「市民」や「市民社会」という言葉を、表面的にとらえ抽象的で皮相な理念としてまつりあげるのではなく、「その背後で息づいている、歴史の積み重なりが届けてくれるある種の精神」を探り当てることなのである。ここでいう「ある種の精神」こそ、個を超える公共的な事柄への関心という意味での、生き生きとした「公共性」の精神であった。

 「私民」が闊歩する戦後日本の社会を更新するためには、西欧の市民精神を改めて移植しなおす必要はない。かといって、明治以前の精神的伝統(の良質な部分)へと復古することも不可能だろう。いまここから、現代の政治・経済・文化状況のただ中から、具体的な経験の積み重ねを通じて新しい精神の習慣を、つまり「公共性」の精神を築き上げていくしかない。佐伯氏の議論は、そのような実践を曇らせるイデオロギー化した「市民」概念を、その重層性や歴史性を腑分けすることによって鍛え上げるための基礎作業を試みたものである。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

実施中のおすすめキャンペーン

本の通販連携サービス

このページの先頭へ

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。