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ウェストファリア体制
著者 倉山満
教皇、皇帝、国王、貴族という一握りの特権階級が支配者だった頃のヨーロッパ。人々は「人殺し」に明け暮れていた。彼らの日常は「戦争」とは異なる、単なる殺し合い。平和は束の間の安らぎにすぎなかった。血に飢えたライオンよりも野蛮な世界である。この「国」という概念すらない16世紀に生まれながら、「戦争にも掟(ルール)がある」という英知を著す信じ難い学者がいた。その名もフーゴー・グロティウス。彼の思想はのちにウェストファリア体制として実り、国際法の原型となる。天才グロティウスが混沌のなかに見出した「法」を日本一わかりやすく読み解く。なぜ日本人が『ウェストファリア体制』を学ぶべきか。第一の理由は、『ウェストファリア体制』が日本人が野蛮な世界で生き残るのに必要な武器だから。第二は、この掟(ルール)が日本人の手によって全人類が守るべき文明の法となったからである。この事実を知らないことが日本の罪なのである。
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ウェストファリア体制 天才グロティウスに学ぶ「人殺し」と平和の法
2021/03/07 15:06
一時代の世界の基本法
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
無から有を創造することができる人を「天才」と呼ぶ、という というくだりには納得してしまった。
この思想は戦争の悲惨な災禍を少しでも和らげるための基本思想として画期的なものであり、日露戦争でその完成をみた。しかしわずか9年すぎの第一次世界大戦で戦争に対する基本的思想が変わってしまった。ということはウェストファリア体制の命はわずか9年間しかなかったということか?
現在では紛争で宣戦布告なんてすることは全くなくなり、戦火を交える前に勝敗が決まっている超限戦の時代になってしまい、ウェストファリア体制 の思想そのものが時代遅れになってきているのか という感想を抱いた。