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星をつなぐ手
著者 村山早紀
桜野町にある桜風堂書店を託され、仲間たちとともに『四月の魚』をヒットに導いた月原一整。しかし地方の小さな書店だけに、人気作の配本がない、出版の営業も相手にしてくれない、などの困難を抱えることに。そんな折、昔在籍していた銀河堂書店のオーナーから受けた意外な提案とは。そして桜風堂書店を愛する人たちが集い、冬の「星祭り」の日に、ふたたび優しい奇跡が巻き起こる。『桜風堂ものがたり』感動の続編。
星をつなぐ手
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星をつなぐ手 桜風堂ものがたり
2021/07/24 15:57
小さな本屋さんに降り注ぐ幸運の物語
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とある田舎町の書店を受け継ぐことになった青年一整ですが、田舎の書店には話題の新作が入荷されず苦しむことになります。そんな一整のことを気に掛ける街の人、勤めていた銀河堂書店の仲間たち、作家たちが、この苦境を支えようと奔走することから始まるちょっとしたしあわせの物語です。小さな本屋さんにかかわる人、それぞれの視点で物語が組み立てられ、本を大切に扱い世に送り出そうとする書店にかかわる人たちの熱い思いが伝わってきます。
この本は、棚を巡りながら、そのときの自分に合った本(宝物)に出会う場を提供してくれる本屋の存在が、大切でかけがえのないものであることを思い出させてくれました。
2025/03/30 11:36
小さな書店から町おこし
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊本が入らない小さな書店。でも、今までの人のつながりから入荷することができ、譲ってくれる本屋さんもあった。こんな風にうまくいくとは思えないけど、こんな風に本屋さんを続けてほしいと思う。
2024/10/13 10:37
街の本屋の行く末をおもう
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜風堂ものがたりの続編だが、読んでいなくても話はわかる。
書店の現状についてはまさに描かれているとおりで、かつての街の本屋さんが果たした役割は失われ、都会のメガ書店が膨大な本を置いているものの、それもショールーム化しており、実際に購入するのはネットを通じてが多い。
本は重いし、定価販売が基本なので、在庫が多くて、届けてくれて、送料無料とかポイント割引とかがあれば、そうなってしまう。
けれども、本屋に行ってしまうのは、やはり本棚での出会いを楽しみたいからであって、その意味で棚作りが個性的で魅力的なところには、定期的に足を運んでしまう。
ただ、おとなはそれでいいけれど、こどもはそれほどしょっちゅう大型書店に行けない。
それに、街の本屋さんは、本だけでなく、文具や学用品、ちょっとしたおもちゃや雑貨など、限られたスペースにこどもにが無限とも言えるわくあくするものがあって、それが何度も足を運ばせ、店内をじっくり見て回る楽しみだった。
今やそういう店の中を見てまわる時間というものはおとなもこどもも持っていないようで、ネットでいかに安く要るものを買うか、というタイパ、コスパ重視になっている。
でも、そういうなんとも名づけられない時間が自分の余白というかほっとできる時間でもあるような気がする。
この話は書店の現状踏まえて、どうやって足を運んでもらうか、読者と作品をどうつなげていくか、という課題にいろんな人たちが知恵を出し、協力しあってひとつのささやかな幸せを生み出している。
ただ、これが永続的にベストかというとそうでもないだろう。
今、本屋に限らず、人に足を運んでもらうというのは難しいことになってきている。
イベント頼みでない魅力、足を運ぶメリットがなければ先細りなことに変わりなく、だからこそ特に小規模な店舗は苦しいのだと思う。
ひとつの答えとして、地元で愛される店であり続けるために何をしているか、地元の人たちとどう関わっていくのかが肝なのだろうが、それ以外の何か…。
全国どこで購入しても定価の書籍を扱うのは難しいなぁとつくづく思う。
それでも、紙の本はなくなってほしくないんだな。