地震予報に挑む
著者 串田嘉男(著)
世界的にも有名なアマチュア天文家である著者は、FM電波を使った流星観測データの中に地震の前兆が現れているのを発見した。そして1995年、阪神大震災を契機に地震発生予測の本格的な観測を開始する。このVHF電波を用いた電離層観測による地震前兆検知法により、著者はこの五年間に日本各地で起きたマグニチュード5以上の地震発生を、九割以上の確率で予測し、国内外の大学や研究機関からも、多くの注目を集めつつある。一体なぜ地震発生が予測できるのか? 時期・規模・場所はどのように割り出されるのか? 本書ではこれまでの観測活動の経緯とその成果を初めて明らかにする。地震発生の直前予測を現実に具体化するには、技術上の問題と共に、得られた情報をパニックのない形で公開し役立てていくための、社会全体の危機管理体制の整備が必要であると著者。世界有数の地震・火山国に暮らす我々一人一人に重い問いをつきつける一冊。
地震予報に挑む
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評価内訳
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地震予報に挑む
2003/09/17 16:28
関連情報
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は今話題の地震予知研究者による著作です。
最新情報を知ることのできる関連サイトはこちら。
・八ヶ岳南麓天文台 地震前兆電離層観測研究センター Home Page
・同センター公開実験参加者一部による観測応援班「EPIO応援班」
・観測研究本格化、地震前兆検知公開実験開始から8年間で初めての一般公表について(串田嘉男)
地震予報に挑む
2000/08/25 19:55
著者と共同研究者たちの熱意が伝わってくる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たいへんおもしろく同時に考えさせられる本である。
流星の電波観測を行っていた天文学者である著者がたまたま異常な波形を観測し、それが数々の地震予報を生み出す新しい方法(KT法)にたどりつくまでの導入部分は思わず感情移入させられるほどだ。
上空はるかな天体観測の技術が地上の地震予報という今もっともホットな話題に結びついたという意外性が本書の魅力である。地表と電離層との間に形成されるという巨大コンデンサー仮説といい、最近数年間の地震発生の多くがこの方法によって予報されているという事実の蓄積は、さらに専門的な経験的検証に値する理論を含んでいると評者は感じた。
何よりも、文字どおり私財を投げ打って観測を続けている著者とその共同研究者たちの熱意が文章から伝わってくる。天気予報のように誰もが利用できる地震予報を諦めることなく目指したいという著者の主張に評者はうなずいた。
(三中信宏/農林水産省農業環境技術研究所主任研究官)