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2件
QRコードの奇跡
著者 小川進
誕生25周年。トヨタの工場から世界中のスマートフォンへ。
日本発で国際標準になった稀有なイノベーション、50年の記録。
QRコードは1970年代初頭、トヨタの生産現場での「かんばん」の電子化をめざしてデンソーで研究・開発がスタートした。さまざまな技術的障壁や現場からの反発を乗り越え、1994年に完成する。その後の周辺技術、国際標準化への取り組み、オープンソース化、利用現場の開拓など、次々に主導する人物が交代しては進めていった。その後、セブン-イレブンや携帯電話、全日空、銀行ATM、駅のホームドアでの導入など、2000年代に入って利用者が用途を開発し、爆発的に普及していく。圧倒的な情報量(バーコードの350倍)、読み取り速度(Quick Response)とエラー回避、セキュリティ、小さい面積とデザインの自由度などもあって、他のコードを凌駕している。今や中国をはじめ、世界中の主要な電子決済手段にもなっている。2014年には、欧州特許庁が主催する「欧州発明家賞」を日本で初めて受賞した。本書は、関係者への取材を丹念なもとにQRコードの今日に至るストーリーと読み解きながら、トヨタ生産方式、スクラム型開発、両利きの経営、ユーザーイノベーションなどを同時に行った、日本発のイノベーションの稀有な事例として描き出すものである。
QRコードの奇跡
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2020/08/31 07:55
一人の天才のひらめきからでなく現場の声を拾い上げて世界基準になった「奇跡」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界から高い評価を受けるサクセスストーリー
日本にとって久しぶりの快挙といえる「QRコード」
QRコードは一人の天才経営者が市場の成長を事前に予測し、戦略を立案する中から開発されたものではない。
生産現場の悲鳴にも似た叫びから問題を認識し、解決しようとする中から生まれたものだ。
現場の声を拾い上げて改善を重ねてブラッシュアップしていく。
それこそが日本が得意としてきたものだと思う。
元気がなくなっている今の日本に大変参考になる本だと思う。
QRコードの奇跡 モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ
2020/05/11 16:56
人が繋ぐテクノロジー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
技術的なレベルアップの影にも、偶数の出会いや閃きが隠れていますね。新しいサービスを、一般化するための努力にも頭が下がります。