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NHK俳句 夏井いつきの季語道場
著者 夏井いつき(著)
季語の力を最大限に引き出すための秘策がここに! Eテレ『NHK俳句』の人気講座「似て非なる季語たち」「音でたのしむ季語」(2016年~2017年放送)の出版化。さらに、著者考案の「季語の六角成分図」と「類想を超える秘策」を、岸本葉子(番組司会)と語った特別対談も収載。推敲・自選のコツや、はじめてでも楽しめる句会の進め方までが一冊にまとまった、俳句ステップアップに必ず役立つ作句の指南書。
※電子書籍版には「初回特典 投句券」の収録はございません。
NHK俳句 夏井いつきの季語道場
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夏井いつきの季語道場
2018/11/24 08:50
季語と向き合う姿勢が素敵だ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳人夏井いつきさんの活躍には目を見張るものがある。
TBS系のバラエティ番組「プレバト!!」で注目を集め、その軽快で洒落っ気のある語り口はNHKの「NHK俳句」でも健在だった。
多くの俳句愛好者が視聴しているだろう「NHK俳句」の選者を2年間務めたその成果となるのが本書である。
中でもうまく出来ていると感心したのが、「季語の六角成分図」。
俳句では基本的に季語がはいるということはよく知られている。もちろん無季句の俳句もあるが、俳句は色々な制約がある創作が面白いともいえる。
だから、季語は大事にしたいし、日本語の美しさも季語で味わうことができる。
その季語がどういう構成でできているのかを分解したのが「六角成分図」である。
六角とは、視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚そして連想力である。
本文に出て来るが、「麦」と「麦の秋」という夏の季語、中でも小津安二郎の映画のタイトルにもなった「麦秋」、「麦の秋」は、「麦」そのものではなく「麦の実る頃」を表わす季語だということ、なので「六角成分表」では連想力がまさる季語になる。
それを理解した上で俳句を詠むのは重要、と夏井さんはいう。
この本の夏井さんはとても真面目で、季語ひとつとっても過去の「歳時記」をさらってその言葉がいつ頃季語として採用されるようになったかを見ていく。
例えば「遠雷」という夏の季語も昭和15年になってようやく登場する、季語としては比較的新しい言葉らしい。
一つひとつの言葉を丁寧に読み解く、それがいい俳句を詠む、第一歩なのかもしれない。