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6件
文体練習
ある日、バスの中で起こった他愛もない出来事が99通りもの変奏によって変幻自在に書き分けられてゆく。
20世紀フランス文学の急進的言語革命を率いたクノーによる究極の言語遊戯。
文体練習
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文体練習
2010/02/02 23:40
日本語だって凄いのです
16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:御於紗馬 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「文体練習」とはありますが、練習というよりも実験というべきかも知れません。何気ない日常のエピソードを言葉の使い方や視点、表現方法から方言、アナグラム的な言葉遊びなどなど、様々な手段で表現したその数、99+3(訳者後書きに補足があります)。
何気ない言葉の選び方、並び方一つでこれほど印象が変わるのかと、読み進むにつれて感動しました。文章といっても、書き方一つで大きな広がりを見せる事をまざまざと見せつけてくれます。
しかし何より、訳者の朝比奈弘治氏に讃嘆の意を表します。レーモン・クノーは言わずもがなのフランス文壇の大御所。原本はもちろんフランス語です(若干嘘ですが)。また、フランス人にしか分からない文化の影響を大きく受けています。それを原意を損なわず、日本人が判る形に訳された労力を考えると頭が下がる思いです。
翻って考えれば、これはまさしく日本語の可能性をも追求した一冊です。あらゆる方法と口で言うのは簡単ですが、実物を見ればその凄さが実感できます。言葉の魔力の奥深さを秘めた逸品です。
文体練習
2004/05/23 23:12
言語実験にはユーモアが必須条件である、というかこれをふざけていると怒ったひとは読むべからず
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三月うさぎ(兄) - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなた、痛い上顎でえづくぐらいおかしいです。
かっこいいギャグを口ずさみ、決して小難しくない。
最高にシンプルなストーリーと精密な素描。
楽しい! チョベリグ! 筒井康隆って言うかぁ、ドナルド・バーセルミみたいなぁ。
何というか、偽のヌーボーロマン? ねつ造のノベル?
発見と必見のフーガがへこたれぬ翻訳で。
間違いなく皆さんがむしゃぶりつく名作ですよ、もう。
夜勤明けにゆっくりと読みましょう。
楽観派も、理数系も、ルネサンス主義者も、レトロ好きも、ろくでなしも、
笑い転げましょう!!
をわりです。
ん?
文体練習
2002/07/03 09:49
本屋で衝動買いしました
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムラタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めは本の装幀がかわいかったので手に取ったのですが,中を見てみると,なんだか変なことになっているらしいので,少し立ち読みしてみました.すると! ひとつの同じエピソードが小難しい哲学的な言葉で書かれていたり,単語同士の最初の一文字が入れ替わったり,少しボケの入った人の「なんだっけなあ,忘れちゃったけど」みたいなうろ覚えの文章になってたり,思わず立ち読みしながら笑いそうになってしまいました.それで,買いましたよ,結局.うちに帰ってじっくり読みながらもう爆笑.友達にもウケがよかったです.買って損はなかったと思っています.