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18件
時と四季の物語
著者 法条 遥
過去は変わらないはずだった――。1992年夏、未来から来たという保彦と出会った中学2年の美雪は、旧校舎崩壊事故から彼を救うため10年後へ跳んだ。2002年夏、作家となった美雪はその経験を元に小説を上梓する。彼と過ごした夏、時を超える薬、突然の別れ……。しかしタイムリープ当日になっても10年前の自分は現れない。不審に思い調べるなかで、美雪は記憶と現実の違いに気づき……。SF史上最悪のパラドックスを描く第1作
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2018/05/20 23:19
出会えてラッキー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
タイムパラドックスを扱った時間SFかと思って読み進めるとミステリーとしても楽しめる非常に贅沢な作品でした。
叙述トリックも中々凝っていて面白かったです。
全編で300ページもないのですが、ギッシリと詰まっていて読み始めたら途中で止められない疾走感もあり良くできているなぁと感心するばかり、ダレる所がないのも見事です。
何を書いてもこれから読まれる人の興味を削ぐことになりそうなので、感想はこれぐらいに。
以前はSFと言えばやっぱり海外の作家(今までのマイベストはジェームズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」です)だと思っていたのですが、伊藤計劃氏や円城塔氏に嵌って以降は日本のSFの素晴らしさに遅まきながら気がつき、
そして今では先日読んだ小川一水氏といい、法条遥氏といい凄く楽しめる作品ばかりに出会えて幸せな気分です。
でも最後に一つだけ、
もし友達に「何か面白い小説はない?」って訊かれたら、今なら間違いなくこれを勧めそうです。
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2015/08/24 18:27
非情なまでのタイムパラドックス
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:睦月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語は開始すぐパニックに陥ります。
そしてその瞬間から物語に引き込まれていきます。
この物語の始まりは十年前から来るはずだった過去の自分が来ないということから始まります。
何故十年前の自分が来なければならないのかは読む楽しみを奪ってしまうので述べません。
途中までは全く明かされない真実が最後に次々と明かされていきます。
種明かしをしているときの台詞の描写もたまりません。
この本は何度か読まないと理解できません。
何度読んでも理解できないこともあります。
しかしそれを含めてもとにかくこの物語はすごいのです。
しっかりと理解してなくてもこの物語が凄いことだけは理解できます。
私が一番好きなのは最後の終わり方です。
最後の主人公の台詞が時の強制力によって断ち切られているところでグワァッて感情が押し寄せてきます。
そして最終的な結末が明確には示されていないところも主人公の台詞とともに合わさり余韻を残してきます。
この小説は四季を巡る四冊に分かれおりこれは最初の一冊です。
とても面白く凄い物語です。
是非読んでください。
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2015/05/08 19:05
物語の続きをすぐに知りたくなる本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジー系の本がないかサイトで調べて見つけたのがこの本でした。読み始めた時から非常に面白いと思いました。どんどん読み進めていくうちにすぐに続きを知りたくなってしまうくらい読んでいて楽しかったです。物語は全てが主人公からの視点で書かれたものではなく、全ての話を読んだ後に重大な事実がわかります。是非読んでみてください。