- みんなの評価
3件
失われた黄金都市
著者 マイクル・クライトン , 平井イサク
コンピューターの能力を飛躍的に向上させる鉱石ブルー・ダイアモンド。その鉱脈を求めてコンゴの奥地に分け入った調査隊が何者かに全滅させられた。隊から最後に送られてきた映像には、ゴリラに似た動物の姿と奇妙な建築物の影が。実はこの地には、繁栄を誇った古代文明の伝説があった。真相を究明すべく、女性科学者ロスは第二次調査隊を組織、手話のできるゴリラをともない現地に飛ぶ!
失われた黄金都市
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
失われた黄金都市
2001/08/20 19:37
秘境探検
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アフリカの奥地へ探検という、古典的なネタを最新の情報小説としてリニューアル。工業用ダイアモンド、手話をあやつる猿など、魅力的な道具立てで、最後まで飽かさない。
失われた黄金都市
2002/12/05 08:32
クライトン、アフリカのジャングルに舞台にダイヤモンドの争奪戦を描く
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アフリカは広大な砂漠とジャングルが交錯する大陸である。ジャングルの方はコンゴを中心とした山岳地帯で、そこを流れる川はワイルドであるし、文明に慣れきった人々にとってはきわめて魅力のある地である。
コンゴの西側は首都のキンシャサ(旧レオポルトビル)があるが、突如として眠っていたエボラ出血熱などの強烈な伝染病が発生したりもする。ザイール川の流れはコンゴ盆地を北西に延びて大きくカーブし、東側のキサンガニ(旧スタンレービル)に達する。その南東には山地があるが、中には噴煙を上げている火山まである。
火山の麓にルワンダと国境を接するゴマがある。ゴマにルワンダの内戦で難民キャンプが出現して話題を撒いたのはつい最近のことである。
クライトンの著した本冒険小説の舞台、コンゴはこのようなところである。原題はそのものズバリの「コンゴ」である。本作品は映画化されて、テレビの空中波でも放映された。しかし、映画の方は知らないうちに上映され、知らないうちに消えてしまった。映画も見たが、小説に忠実に作られていた。なぜ、この映画の人気が出なかったのかはよく理解できない。少なくとも小説は未知の大陸の中でもアフリカのコンゴ(旧ザイール)の奥地のジャングルが舞台になっているだけに、昔の少年ケニアや狼少年ケンなどの冒険小説や漫画を彷彿とさせる作品として楽しめるのである。
この地は火山あり、絶滅を危惧されるマウンテン・ゴリラあり、山間の激流ありで話題にも事欠かない。米国のERTSという資源調査会社の第1次調査団が謎の遭難を遂げ、それを第2次調査団が追う。この調査団はダイヤモンドの資源調査がミッションであった。この間の通信を日欧企業連合が盗聴し、先回りして第2次調査団を出し抜こうとする。
ERTSは第2次調査団をカモフラージュするために、手話ができるゴリラのエイミーとその責任者エリオットを同行させる。人間とのコミュニケーションができるゴリラを登場させるのもなかなか面白いアイデアである。
圧巻は第2次調査団が目的地である黄金都市「ジンジ」に到着するために、パラシュートでジャングルに降り立ってからジンジへ至る道程は、なかなか読ませる。
大人しそうに見えるカバが意外に手強かったり、エイミーが突然行方不明になるが、野生のマウンテン・ゴリラの集団に入り生活したり、記述にも迫力がある。この記述の中にも霊長類の生態について詳しく書かれているのも興味深い。
古代都市ジンジに到着した調査団は、この鉱山都市を守るゴリラに守られていた。正確にはゴリラではなく、ゴリラとは別の新種の霊長類であった。深夜に調査団のキャンプを襲撃してくる新種のゴリラ。謎の遭難を遂げた第1次調査団は、この都市を守護する新種のゴリラの襲撃を受けて遭難したことが判明した。
都市跡に遺された壁画などからジンジは黄金都市ではなく、ダイヤモンドの鉱山都市であった。新種ゴリラの攻撃を受けて全滅しそうになった第2次調査団ではあったが、エリオットが苦心して作った新種ゴリラの言語をスピーカーで流すことによって、新種ゴリラは何処へともなく姿を消す。
ようやく一難去って、ダイヤモンドを探していると、鉱山跡からダイヤモンドがごろごろと出現する。ところがもう一難があった。火山の噴火であった。揺れる大地、火を噴く火山。溶岩によって古代都市ジンジとダイヤモンドは地底に没してしまう。
主人公たちは、土着の人食い人種と言われているキガニ族からもようやく難を逃れるのである。
何とも痛快なドラマであった。アフリカのジャングルを舞台にした小説はあまり見当たらないが、このジャングルの下にはおそらくまだ多くの貴重な鉱物が眠っていることであろう。衛星通信を利用するなど、クライトンならではの虚実突き混ぜた娯楽作品であった。
2017/12/25 01:02
冒険小説の皮を被ったSF
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Nobody - この投稿者のレビュー一覧を見る
1980年に書かれた小説。コンゴ(現ザイール)のジャングルを舞台に、米企業と日欧合弁企業がダイヤモンドの利権を巡って争う。
コンピューターや通信関係の描写が古臭く、一昔前のSFといった感じ。技術的な説明が多くてうんざりする。
訳が悪いせいか、テンポが悪く、意味不明な箇所が多い。誤植も多い。
かばが危険な動物だということはこの小説を読むまで知らなかった。