ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
著者 リチャード・プレストン,高見 浩
スティーヴン・キングやアーサー・C・クラークも戦慄した名作ノンフィクション、緊急刊行。 1989年、米国の首都ワシントン近郊の町レストンに、エボラ・ウイルスが突如現れた。致死率90%、人間の脳や内臓を溶かし「崩壊」にいたらしめるエボラ出血熱のパンデミックを阻止すべく、ユーサムリッド(米陸軍伝染病医学研究所)の医療者たちが立ち上がる。感染と隣り合わせの極限状況で、彼らは何を思い、どのように戦ったのか? 未曾有のウイルス禍と制圧作戦の全貌を描いた、世界的ベストセラー。解説/岩田健太郎
ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
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ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
2020/09/27 13:33
真実は小説より“面白い”。
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
真実は小説より“面白い”。ノンフィクション作品の場合、とかく事実を忠実に伝えるため平板になりがちだが、本作では綿密な取材に基づいて当事者の内面や思考にまで踏み込んだことで、あたかもフィクション以上の緊張感を表現することに成功している。感染した場合の恐るべき結末は明らかだが、その実態すら定かでない“敵”に恐れおののきながらも立ち向かう人々の恐怖がしっかりと伝わって来る。フィロウイルス科のウイルスであることは確かだが、その“株”ごとに異なる性質を有するという変異性の多様さがこの敵との戦いを困難にしてる事情も良く描かれている。これ程興奮した作品は久しぶりでした。
蛇足乍ら、新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延している現在、ウイルスとの向かい合い方を考える良い教材とも言える。そして、ウイルスの変異性を念頭に置いた対処法に関する研究の重要性を改めて思い出させてくれる作品でもある。