- みんなの評価
5件
ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
著者 小川一水(著)
女同士じゃ結ばれない宇宙なんて。大宇宙巨大ロケット百合SF、新章開幕! 人類が辺境のガス惑星で生き残るために巨大ロケット宇宙漁技術を編み出したはいいものの、その船を操れるのは男女の夫婦に限ると定められてしまった、遠い未来。異例の女同士ペア、テラとダイは困難を乗り越えて互いを想い合う恋仲となっていた。このまま星系脱出かと思いきや、ダイが故郷のゲンドー氏に誘拐されてしまう。愛する人を取り戻すため、テラの宇宙を駆ける潜入計画が始まった――大好評バディSF、第2弾!
ツインスター・サイクロン・ランナウェイ4
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2020/03/23 08:56
ガス惑星と百合の相性が悪いわけないんだよな
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MotoR - この投稿者のレビュー一覧を見る
わざわざこのレビューを見に来ている方の8割くらいはご存知だと思うんですが、この本は百合アンソロジー「アステリズムに花束を」に収載された短編が元となっています。それに基づいたレビューというか感想です。
まず短編との違いについて。端的に言ってしまうと、これは短編版とは別物です。ネタバレになりそうなので詳しくは書けませんが、ディテールとボリュームをこれでもかと加えられた結果です。私はこれを読んだあと短編版を読み返しまた戻ってきました。その点でこの本は短編版既読者にとって非常にお得であると言えるでしょう。おそらく値段の4倍くらいの価値はあると思います。
次にお話そのものの内容について。ただこれは詳しく語るに及びません。百合、ガス惑星、漁業、ムラ社会……商品説明にも書かれていることですが、これらのワードの組み合わせにピンときたら購入すべきでしょう。幸い本書は非常に安価です。
読め。
2024/01/27 05:38
なるほど百合SF
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
片道で逃げて行った先の世界で初めて見る/触れる多様な社会(2作目までからの予想以上に多様)を描きつつ、二人が「漁師」のスキルを活かす道を見つけていく…という中盤あたりの設定だけでも何冊も巻を重ねられそうなところ、終盤でまたいろいろ明かされてジェットコースターのような展開。
この詰め込み過ぎなあたりが新刊が出ると前巻までの内容が抜けていた理由でもあるかもしれない(笑)。
とはいえ、今回の種明かしはだいぶ頭に残りそうだ。
あと「百合」要素がこれまでのような私的なものから本シリーズのSFテーマそのものに。なるほど百合SF?
2024/01/27 05:36
ラストはランナウェイ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
思った以上にガチ百合なのはともかく(笑)、SF的な設定のアクロバットもグレードアップ。
各巻、昏魚の特性を原理から考え直して、経験的に行なわれていた漁を超える漁法を編み出す、という点は共通している。
観察の重要性、という点では「科学の方法」を描くハードSFになっているあたりが上手い。
ラストが今いるところからのランナウェイになるのは共通の物語構造?
今回のエピローグを読むと、オープンエンド的に二部作で完結でも大丈夫な構成ではあるが、まだまだ続けられる要素も仕込まれている。