なぜ生きる
忙しい毎日の中で、ふと、「何のために頑張っているのだろう」と思うことはありませんか。
幸福とは? 人生とは? 誰もが1度は抱く疑問に、精神科医と哲学者の異色のコンビが答えます。
第一部では、臓器移植、延命治療、自殺、キレる子供たちなどの直面する問題や、文学者や思想家の人生論を掘り下げるだけでなく、宇多田ヒカル、B’zらの言葉を引用しながら生きる理由を探ります。
第二部では、親鸞研究に取り組んできた著者が、親鸞の“なぜ生きるか”の解答に焦点を絞り、『教行信証』『歎異抄』を読み込むことを通して、古今東西、変わらぬ「人生の目的」を明らかにします。
※本書の読者から最も多く寄せられた問いに答えた『なぜ生きる2』も、ぜひごらんください。
心を揺り動かす『なぜ生きる』の言葉
・生きる力は、どこから湧いてくるのか
生きる目的がハッキリすれば、勉強も仕事も健康管理もこのためだ、とすべての行為が意味を持ち、心から充実した人生になるでしょう。病気がつらくても、人間関係に落ち込んでも、競争に敗れても、「大目的を果たすため、乗り越えなければ!」と“生きる力”が湧いてくるのです。(一部1章より)
・家康とゲーテの嘆き
天下を取り、征夷大将軍にのぼりつめた家康でも、「重荷を負うて、遠き道を行くがごとし」とみずからの一生を述懐する。死ぬまで、苦悩という重荷はおろせなかったというのである。無類の楽天家ゲーテでさえ、「結局、私の生活は苦痛と重荷にすぎなかったし、75年の全生涯において、真に幸福であったのは4週間とはなかった」と嘆く。(二部2章より)
・夏目漱石、芥川龍之介の苦悩
自由奔放に生きたといわれる女流作家の林芙美子も、「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」と言いのこし、夏目漱石は、「人間は生きて苦しむ為めの動物かも知れない」と妻への手紙に書いている。「人生は地獄よりも地獄的である」と言ったのは芥川龍之介である(『侏儒の言葉』)。
これらの愁嘆を聞くまでもなく、「人生は苦なり」の、2600年前の釈迦の金言に、みなうなずいているのではなかろうか。(二部2章より)
・生きる目的は、金でもなければ財でもない
なぜ生きる。
人生の目的は何か。
親鸞聖人の答えは、簡潔で明快だ。
「生きる目的は、金でもなければ財でもない。名誉でもなければ地位でもない。人生苦悩の根元を断ち切られ、“よくぞ人間に生まれたものぞ”と生命の歓喜を得て、未来永遠の幸福に生きること」である。(あとがき より)
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なぜ生きる 1
2002/06/19 09:47
人生の目的を知るために
18人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:斑鳩の里より - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は1部と2部で構成されていて、1部では直面する問題を中心に、文学者や思想家の人生論を掘り下げた内容で、2部では親鸞聖人の言葉をあげて、古今東西、変わらぬ人生の目的を明らかにした内容である。
本書にも書いてあるように「、なぜ生きるか」の問いに「生きるために生きる」は意味不明であり、生きる目的がわかれば「生きてよかった」と人生に満足すると思います。
この答えを「教行信証」より見いだすわけですが、内容は仏教と哲学が融合したような感じがします。できるだけ具体例をあげて説明しているが、理解するのがかなり難しいです。それはたとえば「和讃」などやや専門的と思われる用語がてでくるからで、読むときは国語辞典や漢和辞典などを参照しながら読むといいでしょう。
また一度読んだだけではよくわからないことが多いと思うので、何度も繰り返して読む必要があるでしょうね。
2021/01/26 20:30
最初は「人生の無為さ」に向き合う記述だが、後半は宗教的に…まさにカルト本
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は大学などで宗教色を出さずに勧誘することで有名な(今は衰退したようなので「有名だった」かもしれませんが)カルト邪教の本です(もちろん、著者の高森氏はその教祖)。
私も少し大学生活になじめずふさぎ込んだ頃に勧誘を受け(、しかも数か月間ではあるけど、その中で教義について聞いたことがあっ)た身なので申し上げますが、 確かに「人それぞれでない、万人共通の目的がある」という考えを持つのは自由ですし、私自身もそうした考え方をお持ちの方を頭ごなしに批判するのではなく、まず理解したいという気持ちはあります。
が、私自身は「それが仮にあったとしても、著者の高森氏が仰るような『阿弥陀仏の救い』とかいう話とはたぶん関係ないだろう」と思いましたし、この本は気持ちが沈んだ時に読んで、そのような「救い」への道が得られる本ではないという結論に至りました。