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3件
ヤマケイ文庫 垂直の記憶
著者 山野井泰史
2002年秋、山野井泰史は、ヒマラヤの難峰ギャチュン・カンに単独登頂後、下降中嵐につかまり、妻・妙子とともに決死の脱出を試みて奇跡的に生還した。 この衝撃的な生還を機に、自らのクライミングの半生を振り返り、難ルートから挑んだ高峰への思いを綴る。 すさまじい登攀への思いと「日常」の生活も著わした、氏の再起への物語でもある。 2004年に刊行された書籍の文庫版を電子化しました。
ヤマケイ文庫 垂直の記憶
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垂直の記憶 岩と雪の7章
2011/10/17 11:11
至って謙虚でリアル
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Pokhara - この投稿者のレビュー一覧を見る
本物のクライマーが書いた自伝は至って謙虚でリアル。エベレスト無酸素登頂とか、五大陸制覇みたいなメディア受けする記録を狙っている人たちが言うこととは次元が異なると思った。雪崩に襲われて死にかける描写はこちらの息が詰まるほどの迫力。山野井夫婦のギャチュンカンへの挑戦を描いた澤木耕太郎の「凍」や、同じクライミングでも道具を使わないフリー・クライミングの自伝物として「ユージ・ザ・クライマー」なんかと併せて読むと面白いと思います。
垂直の記憶 岩と雪の7章
2015/10/23 00:01
妙子への眼差し
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さしすせそまみむめも - この投稿者のレビュー一覧を見る
登山家、山野井泰史の7つの山の記録。
なかでも鮮烈に残るのは第7章「生還」です。厳しい下山の間、妻妙子に向けられる彼の眼差しを追っていると、山野井泰史が自身の登山について語るのとは別次元の深みが伝わってきます。
その記録は登山記の中でも異質のものであり、同じ類の文章が好きならばぜひ読んで欲しいと感じます。
垂直の記憶 岩と雪の7章
2015/01/26 23:21
登山家の肖像
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:falcon - この投稿者のレビュー一覧を見る
登山家の自伝や登山歴をまとめた本には、自己主張が強すぎたり、登山よりも自分を宣伝することが目的のようなものがあったりするのですが、この本の読後感はとても清々しく、筆者の山に向かう真摯で謙虚な姿勢が行間からあふれるような、それでいて山への熱意はひしひしと伝わってくるような本でした。
人間の極限を超えるような登山・遭難からの帰還も書かれていますが、それができたのもこの人柄があったからこそと感じました。