電子書籍
ヤマケイ文庫 空へ-「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日
1996年3月のネパール入国からベースキャンプ設営、順次キャンプを延ばし、5月10日の大量遭難にいたるまでを、各国の公募隊参加者の動向や彼らの証言をもとに組み立てられた山岳ノンフィクションです。
著者のクラカワーはアメリカのアウトドア誌のレポーターとして、ニュージーランド人ガイドの率いる公募登山隊に参加、その実態をレポートするはずだったが、たまたま事故の当事者となり、幸運にも生還することができました。
5月10日の登頂後、下山中、悪天に襲われ、あいついで6人が死んでいくさまを詳細に描いた後半は、読者の胸をうちます。
著者は、帰国後、辛抱強く取材を重ね、本書を著わし、世界15カ国で出版、ベストセラーとなりました。
原題は『空へ INTO THIN AIR』。
ヤマケイ文庫 空へ-「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日
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電子書籍ヤマケイ文庫 空へ-「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日
2022/01/27 10:52
読書中に空気が薄くなるような感覚…
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ChocoMoco - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観て当遭難事故に興味を持ち、本書を手に取りました。映画内では描かれていない遠征隊や関連人物の性格や背景に加えて、当時のエベレスト周辺に居合わせた別のグループの行動、商業遠征隊の問題提起など、まるでそれぞれの状況をドローンを飛ばして空から全体を見下ろして読んでいるような感覚になれる作品です。
実際に遠征に参加し極限状態を体験した著者ならではの苦悩や葛藤、混乱、また遭難し命を落としていった遠征隊メンバーが遭遇していたであろう状況では、本を読みながらも-60℃の体感気温に震え、空気の薄さを感じ息苦しくなるような気さえし、何度も深呼吸しました。
私自身、山登りを楽しむ者として、どうしてこんなに苦しい状況に自らを置くのかという気持ちと、あと少し踏ん張れば達成感と心地よい疲労が待っているという悪魔のささやきのような葛藤の中で引き返すポイントを逃す気持ちが手に取るように分かります。近年のエベレストへの商業登山の影に、現地シェルパの多大なる貢献があることも忘れてはいけないと感じさせる作品でした。
ただ、著者目線で描かれている部分も多々あるように見受けられたので、さらに関連作品なども読んでみたいと思いました。
2020/07/23 17:53
そこにエベレストがあるから
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
死の危険性と隣り合わせで、山頂を目指す冒険家たちに手に汗握ります。一瞬の判断ミスが、紙一重で命運を分ける恐ろしさを痛感しました。