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「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」シリーズ
妹みたいな可愛い幼なじみ・千和。「絶対やだ!やだやだっ!あんたなんかが彼とつきあうなんてぇっ!」 銀髪お嬢サマな帰国子女・真涼。「あら、幼なじみごときにそんな決定権があるのかしら?」――おお、どうしてこうなった!? 俺は平穏な高校生活を望んでいたのに、真涼と<秘密>を共有したためムリヤリ彼氏にされてしまった! ヤキモチを爆発させた千和が叫ぶ。「あたしだってモテてやるもん!」何かを企み、真涼が微笑む。「では私達がサポートしますね?」千和の彼氏作りになぜか協力するハメになった俺の運命やいかに!? 裕時悠示×るろおが贈る、両手に花?のらぶ×らぶコメディ! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる18
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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 1
2011/03/13 00:54
荒木飛呂彦ファン!きさま!見ているなッ!
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学園コメディ作品。
物語の舞台は現代日本。
ライトノベルの中でも、いわゆる学園モノに分類される作品であり、端的には典型的なドタバタ・ラブコメディである。
概要としては、主人公の高校生・季堂鋭太と、その彼女・夏川真鈴、幼馴染の春咲千和との奇妙な三角関係が描かれたもので、本巻においては、幼馴染のヒロイン・千和を「もてる女」にするため、主人公と真鈴が知恵と力を貸すというストーリーとなっている。
本作は、ごく普通の日常生活を舞台とした作品である。
主人公に超常的な力が備わって謎の組織と戦うであるとか、ヒロインが宇宙人であるとか、そうした変化球の類は一切ない。
主人公が使命に目覚めて闘う作品でもなく、闘いといえば自分自身の譲れない信念のために拳を振るう程度のもの。
主人公と真鈴との馴れ初めエピソードや、千和が「もてる女」になりたがる理由などは、特徴的といえば特徴的であるが、そういった枝葉を除けば、直球勝負の作品。
妙な味付けをしたがる学園コメディが群居している中にあって、最近少なくなった古典派日常系学園コメディとでも評すべき作品だろう。
同一カテゴリーとしては、平坂読・著『僕は友達が少ない』が一番近い作品であり、見方によっては、その『僕は友達が少ない』の後追い作品という表現が適切かもしれない。
特にヒロインの千和は、『僕は友達が少ない』で言うところの残念系キャラであり、『ヒロイン萌え』というものが成立するとするならば、狙っている読者層が完全に被っている。
人物紹介でもそのまま「残念」と形容されているので、この辺りは潔いといえば潔い。
また、もう一人のヒロイン・真鈴については、ツンデレ系ヒロインであり、既存作品で言えば西尾維新・著『化物語』の戦場ヶ原ひたぎとほぼ一致。
性格や行動様式もトレースされたかのようにピッタリで、生い立ちや趣味などの相違を除けば、違いを探す方が難しい。
各キャラクターの台詞にみる言葉遊びも、西尾維新を思わせる仕様であり、全体的に著者のオリジナリティーを抑え、既存人気作品の良いトコ取りを試みているような作風である。
『バカとテストと召喚獣』や『とある魔術の禁書目録』など、ライトノベルファンに良く知られる作品へのオマージュに満ちており、ともすれば二次作品と見紛う出来栄えだ。
学園コメディというジャンルについては、各ライトノベルブランドから、それこそ星の数ほど出版され、そして、流星のように消え去っている状況であるため、この作品を他の作品を差し置いて推薦するほどの理由は、正直、皆無である。
似たような作品で、かつ、面白い作品ということであれば、他に見つけることが十分に可能だろう。
ここまで断定的に書いてしまうと、恐らくこの書評を読んだ読者は、本作を購入することを躊躇うに違いない。
しかしながら、実は、本作は他の作品にはない特徴を有している。
その一点から、敢えて私は「ある特定の層」に対してのみ、この作品を強く薦めたいと思う。
否、『その層に属する人たちは』この作品を『読まなければならない』と考えている。
その「ある特定の層」とは荒木飛呂彦ファンのことである。
より厳密には、荒木飛呂彦・著『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのファンのことであり、ジョジョファン仁義として、この作品を応援すべきだと思う。
そうと表明されているわけではないが、恐らく著者はジョジョ好きなのだろう。その影響が要所で顕在化している。
最も分かり易い例としては、作品のヒロイン・真鈴が上記『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンという設定であり、特に作品の後半以降は、明らかにそうと分かる台詞のオンパレードだ。
幕間の遊びページは完全にジョジョ。
エピローグすらもジョジョ。落ちもジョジョ。
極めつけは、本巻最後の締めとなる次回予告においてまでもジョジョという有様であり、『ジョジョの奇妙な冒険』というファクターを作品から排除した場合、物語はプロット段階で崩壊する程の偏重した構成になっている(『ジョジョの奇妙な冒険』第3部でお馴染みの『TO BE CONTINUED』というメッセージなどは、文字の飾りまで同じである)。
ここまで徹底的に、しかも、物語に関係のないところにまでジョジョを使われては、ジョジョファンとしては応援せざるを得ない。
無論、ライトノベルファンには目の肥えた読者が多いことも事実。
そんな人たちの次のセリフはこうだ。『有象無象の作品にまで手を出すのはちょっと・・・』。
それら全てを踏まえた上で評するに、本作はジョジョファン以外にはお奨めできる作品ではない。
だが、この評を読んでいるのがジョジョファンであれば、以下の言葉と共に、即時の購入を促したい。
『面白いライトノベルだけを読む』『ジョジョ好きであり続ける』。『両方』やらなくちゃあならないってのが、『ジョジョファン』の辛いところだな。
覚悟はいいか?オレはできてる。
なお、評価については、通常『★★★』のところを、ジョジョ補正で『★★★★★』とした。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 1
2011/04/29 17:09
はいてるのか、いないのか、それが問題だ
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校一年生の季堂鋭太には両親はいない。でも幼なじみはいる。それが春咲千和だ。かわいい容姿をしているのに色気より食い気の残念さはあるけれども、怪我が元で夢を断たれても立ち直って元気いっぱいな女の子だ。
鋭太自身は、両親に捨てられ叔母さんに拾ってもらった身の上で、その原因となった恋愛をさげすみ、勉学に邁進している。だが、そんな鋭太に対し、学校で一番もてるのに告白を断り続けている帰国子女の夏川真涼が告白をしてくる。
ところが、真涼の目的は偽装彼氏を作って、うっとうしい告白を止めること。そのために、同じ様に恋愛に興味がなさそうな鋭太をターゲットに定めたのだ。当然断る鋭太だが、真涼は偶然手に入れた鋭太の黒歴史ノートをネタに脅迫してきて、偽装彼氏とならざるを得なくなる。
その事実に憤慨したのが、なぜか千和。ただの幼なじみなのに、鋭太に恋人ができたことを嫌がり、じぶんもモテモテになる!などと宣言する。それを聞いた真涼は、「自らを演出する乙女の会(=>自演乙)」を設立し、誰にもてたいかを言わない千和がもてるための演出をすることを提案する。
二人の間に挟まれる鋭太の明日はどっちだ?
見た目はきれいだけれど彼氏を演じさせるために手段を選ばない黒さも併せ持つ真涼と、天真爛漫元気いっぱい少女の千和、その二人に挟まれる鋭太の、恋愛関係を目指さないようにも見えるラブコメだ。
真涼が意外にジャンプ通で、ジョジョネタやドラゴンボールネタなどをしばしば挟んでくる。基本的に作者の描くヒロインは、トラウマ級のバックボーンを持っていることが多いので、今回もそれにもれない。
真涼の考える作戦を疑うこともなくのせられて実行してしまう千和と、それに振り回される鋭太のあたふたぶりが面白いコメディでもある。そして、少しじんわり来る部分もあるのだ。でも、一番インパクトがあるのは、はいてない!疑惑だけどね。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 2
2011/10/26 22:03
修羅場だけど破滅はしない
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中二病時代の黒歴史ノートを抑えられ、夏川真涼に言い寄ってくる男どもを追い払うためのフェイクの恋人を演じさせられることになった季堂鋭太は、幼なじみの春咲千和と共に、もてまくりになるための部活、自演乙の会に入れられることとなった。
そんなある朝のこと、自宅の洗面所に行った鋭太の前に現れたのは、半裸の幼なじみ・千和。そしてダイニングにはフリルエプロンの彼女・真涼。姉さん、事件です。朝から修羅場です!それが鋭太の日常なのだ。
彼女と幼なじみの修羅場でいっぱいいっぱいの鋭太の下駄箱に届けられたのは、一通のラブレター。この上さらに修羅場要因が増えてしまうのか?一体差出人は誰?そんな戸惑いに溢れる鋭太の前に、今度は真涼の妹・夏川真那が現れ、いきなり鋭太の唇を奪っていく!
もはや鋭太にとって心休まるときは、親友の遊井カオルだけ。そんな彼にも実は女の子?疑惑が発生したりしなかったり。加えて、自演乙の会は風紀委員に睨まれ、正規の部活動に昇格するため、新たな人材、暁の聖竜姫、ヒメカ・静・ヘブンズレインこと秋篠姫香を勧誘することになる。
さて、春夏秋と来たので次は冬!その人、冬海愛衣が携えてくるのは、果たして吉報か、あるいは凶報か?次回は夏、夏といえば合宿です。
真涼の実家の事情の一端が明らかになりそうになるも、それをはるかに超えるイベントが、次から次へと起きてくる。フェイクは果たしていつまでフェイクなのか?誰にでも優しいのになぜか破綻しない、ラブコメの王道が示される。