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そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体―昭和史の大河を往く〈第10集〉
著者 保阪正康 (著)
最大の事業仕分け、GHQによる官庁中の官庁・内務省と巨大な人員を擁する陸軍省、海軍省の解体。
だが官僚たちはしたたかだった。名とかたちを変え組織は残った。
<目次>
最後の陸相・下村定の未公開手記
陸軍省消滅と下村陸相の国会での謝罪演説
陸軍最後の日──昭和天皇と下村陸相の涙
陸軍最後の日の皇居内──侍従武官の証言
「公」のためと「私」のための自決
なぜ俺が敗戦国の軍使に──河辺虎四郎の憂鬱
敗戦は「我等軍人の罪」──自決したO大佐の真摯な反省
“官庁中の官庁”内務省解体を目指すGHQ
内務省解体とGHQ内部の確執
“責任ある政府”──ケーディスの理想と内務省解体
解体目前の内務官僚たちの心中──鈴木俊一の証言
国家警察と自治体警察──警察改革を巡る攻防
警察法改正──ゆきづまったアメリカ型警察制度
内務省終焉──真に解体すべきは悪しき官僚制度
海軍は開戦に反対していたという“神話”の誕生
最後の海相・米内光政の訓示に込められた思い
米内光政の見事な出処進退と消えた海軍の戦争責任
戦後、一切の公職に就かなかった井上成美の生き方
「三笠」艦上から海軍解体の日を思う
特攻作戦の責任と海軍将官の自決
海軍という理想郷のなかで消えた「勇断」
警察予備隊創設と旧内務官僚と旧軍人の対立
自衛隊の基礎を作った十一人の旧軍佐官クラスの任用
そして官僚機構はかたちを変え、残った
あとがきに代えて──戦前、戦後とも責任をとることのない官僚組織
そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体―昭和史の大河を往く〈第10集〉
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そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体
2011/01/19 22:25
内務省と帝国陸海軍。
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
特高警察のようなGHQの指令で解散された部門は除いて、組織が細分化された内務省と復員や掃海を担当する部門を除いて組織自体が解体された帝国陸海軍とでは、そこに勤務していた人々の運命も違っていただろう。
この本に書かれているように旧内務省出身の警察官僚が警察予備隊を支配していた姿が、その一端を見られる。
軍との関係を断絶した警察予備隊・保安隊・陸上自衛隊と軍との連続性が見られる海上警備隊・海上自衛隊、陸軍航空隊と海軍航空隊から新しい組織を作り出した航空自衛隊とでは、組織の持つ環境も違うだろうか。再軍備について警察予備隊から陸自までの道しか書かれていないのは残念なところだ。
日本の残した人員や環境から新しい国作りをした韓国や国家自体が解体されて再建されたドイツとでは、また違いもあるのだろう。