- みんなの評価
1件
満月の泥枕(毎日新聞出版)
著者 道尾秀介
生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作。娘を失った二美男と母親に捨てられた汐子は、貧乏アパートでその日暮らしの生活を送る。このアパートの住人は、訳アリ人間ばかりだ。二美男はある人物から、公園の池に沈む死体を探してほしいと頼まれる。大金に目がくらみ無謀な企てを実行するが、実際、池からとんでもないものが見つかった! その結果、二美男たちは、不可解な事件に巻き込まれていくことになる……。
満月の泥枕(毎日新聞出版)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
満月の泥枕
2017/07/02 15:11
幸せ運ぶ本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーというよりはアドベンチャー要素が強くて、新鮮だった。汐子とニ美男の関係、いいね。ろくでなしの叔父と姪っ子、姪っ子がしっかりしてるから、この叔父さんは生きていける。最後の汐子の言葉は深い。そして種類は違えど不幸な境遇にある人へのエールになる。せっかく生きているんだから、楽しい方が、笑える方がいい幸せになっていい。その通りだ。自分自身を納得させるのには時間もかかるだろうし、辛さもあるだろうけれど、それでいいんだよね。人生はできる限り楽しまないと。とても充実した読書だった。いい本こそ幸せを運んでくる。