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ハルムスの世界
著者 ダニイル・ハルムス(著) , 増本浩子(訳)
出来事=偶然の超短篇
「ある日のこと、オルロフはえんどう豆のピュレをいやというほど食べて死んだ。クルィロフはそのことを知って、やはり死んだ。スピリドノフは勝手に死んだ」
(「出来事(ケース)」より)
長くソ連では当局に禁止されていたものの、いまやロシアはもとより、欧米諸国でカルト的な人気を集めているダニイル・ハルムス。ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスは、そのミニマルな文体、意味と無意味の戯れ、ユーモアと不条理で、「ロシア文学」のイメージを颯爽と覆す。
代表作である生前未刊行の短篇集『出来事(ケース)』と、訳者がセレクトした短篇38篇からなる旧版に、新たに訳出した10篇〈アンコール・ハルムス〉を加えた増補版として待望の復刊。岸本佐知子氏推薦!
ハルムスの世界
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ハルムスの世界
2023/08/27 14:43
コラムも秀逸
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「不条理文学」で知られるハルムスの作品集。
それぞれ何とも言えない読後感を残します。
ただ、ある程度パターンが決まっているためか、まとめて読もうとするとだんだん飽きてしまう。少しずつ味わうのが良いかもしれません。
ところどころに挟まれたコラムも秀逸で、作者について、その頃の社会について、作品に登場する人物について等、分かりやすく解説されているのが素晴らしい。ハルムスのお話がより理解できるよう、心配りが行き届いています。