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「小児性愛」という病――それは、愛ではない
著者 斉藤章佳
150人を超える小児性犯罪者に関わってきた著者が語る、加害者の心理とは?
“認知のゆがみ”とは、何か?衝撃の現実!
「そりゃセックスもしましたよ。恋人同士ですもん。それを周りの人たちが、ぶち壊したんです。 私がロリコンで、Yちゃんは被害者だといって引き離したんです。
私はそんな人達によって犯罪者にさせられました。おかしいのはどっちだっていいたいです…」
これは、12歳の少女に性加害をした49歳の男性のケースです。
女子児童の側には、交際しているという認識はありません。怒ると声を荒げる男が怖くて、言われるがままになっていたのだとわかっています。
彼がしていたのは、明らかに加害行為です。子どもに肉体的・精神的に後々まで残る多大なダメージを与えました。
しかし、彼が見ていたのは、「子どもから求めていた」「子どもはよろこんでいた」という光景。事実とは、正反対です。
クリニックで子どもの性加害経験者からヒアリングしていると、これは性加害をする者なら誰もが持っている、特有の思考の歪みだと実感します。
彼らの問題行動の背景には、精神疾患があります。日本語では小児性愛障害、英語ではPedophilic Disorder, Pedophiliaといわれ、この「ペドフィリア」という語のほうが馴染みがある人もいるでしょう。
私は、150名を超える子どもへの性加害者らと関わってきて、彼らも私達と変わらない、同じ“人間”だと考えるに至りました。決して性欲が抑えられないモンスターではありません。
子どもへの性被害、つまり小児性愛障害は、社会のなかで学習された行動です。大げさかもしれませんが、いまの日本社会が「ペドフィリア」を生み出し続けているといっても過言ではありません。
本書より抜粋
「小児性愛」という病――それは、愛ではない
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「小児性愛」という病 それは、愛ではない
2023/08/10 18:37
小児性犯罪の加害者から病巣を探る
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
性犯罪の加害者の再犯防止プログラムに長年取り組む著者が、小児に対する性犯罪を犯す人たちの認知のゆがみや、それを生み出す社会構造を指摘している。
加害者の言い分は、明らかにおかしいと思うが、それこそが認知のゆがみであり、女性や子どもの性を商品化する社会の中で再生産されていくものなのだろう。
淡々と冷静な筆致ながら、事件そのものは生々しく、気分が悪くなる。ただ著者も書いているように、加害者をおかしい特別な犯罪者として責めるだけでなく、「自分の中にある加害性と向き合う」など私たち一人一人が考えていくべきジェンダーや人権の問題であると思った。
2020/05/08 15:01
病気
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて、イライラしてしまうほど、ひどい思想の持ち主たちで、被害者のことなんて、なんにも、考えていなく罪も軽い。