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化石の復元、承ります。古生物復元師たちのおしごと
著者 木村由莉
2022年夏開幕!国立科学博物館特別展「化石ハンター展」で蘇る、新種の絶滅大型獣チベットケサイの復元現場に潜入!
「例えば壺が割れて、それを元の形に戻しましょう、というのが今回の作業」(デジタル復元/越前谷宏紀先生)
「まっすぐに立った優等生な骨格はおもしろくないから、
生きているような、動きのあるポーズを作りたい」(骨格レプリカ製作/ゴビサポートジャパン)
「そのまま作ってもリアルにならない。もっともらしい説得力を演出するのが僕たちの仕事」(生体模型製作/アップ・アート)
「一連の動きの一瞬を切り取って、その中で迫力のあるポーズを目指した」(3DCGモデル制作/戸田かえでさん)
***
それは上下方向にグシャッと潰れ、無数の亀裂が入った一つの頭骨化石。
2022年夏に開幕する国立科学博物館の特別展「化石ハンター展」の目玉展示に抜擢された、
氷河期のコエロドンタ属(ケサイ)の新種だ。
今はもうこの地球上に存在しない、絶滅してしまった太古の動物。
誰も見たことがないその姿を、復元のプロはどのように蘇らせているのか。
化石動物の復元に挑む職人たちの仕事に、
骨格レプリカ、生体模型、3Dデジタル復元、展示づくりの現場から迫った、
「古生物復元」ドキュメントブック!
化石の復元、承ります。古生物復元師たちのおしごと
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化石の復元、承ります。 古生物復元師たちのおしごと
2023/12/05 09:25
化石展示に関わる多様な職業。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある「特別展」の制作過程を通して太古の生き物の復元の実際を紹介する。
古生物学者が発見し、復元の中心となるけれども、他にも「リアルな復元」に必要な職業がある。どれももかなり特殊な技能を要求されるもののようだ。古代生物が展示されるまでに関わる職業の紹介本のようでもあった。
骨格レプリカ職人、3DCGクリエイターから鉄骨屋。展示というところに注目すれば最初の展示プランを立てるプランナーだって重要なポジションだ。化石が見つかった土地の役場職員だったから、という経緯の人だっている。
本書ではこういった仕事を一つ一つ紹介。設定が「大学に落ちた少女の質問」というところから考えれば「それだけが唯一の選択肢じゃないよ」と伝えているとも感じられる。本書はこれから人生の方向を決めようとしている若者への「お仕事紹介本」でもあるわけだ。
「復元~展示」という仕事の現状は、コンピュータを駆使する一方、最後の調整は人手でする「アナログとハイテクの融合」。できたものを見て感じるのは人間なのだからかもしれないが。
それにしても、どんなところにも「職人」がいるものだ。
化石の復元、承ります。 古生物復元師たちのおしごと
2023/08/27 12:03
恐竜好きじやなくても楽しい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
甥っ子の恐竜好きに巻き込まれて買ったのだけれど、楽しい。
つぶれてグシャっとなった化石をどうもとの形に直すか、化石からレプリカを作り、更に生きていた様子を復元、どう動くかの動画まで、博物館の特別展の展示にいたるか、さまざまななひとが関わり技術が駆使されて出来あがっているか、わかる。古生物の研究だけじやなくても、仕事としていたことが好きな恐竜につながっていったり、ないなら仕事を作りだしたり…
学生時代博物館学実習を取り、学芸員になりたいなあとぼんやり考えていたので、あの頃こんな本があったらなあと思った。学芸員になりたい人、研究者目指したいひとはもちろんどこかで自分の希望どおりの道に進めなくても好きだったらいろんなアプローチがあり、続けていたら仕事になる、仕事を自分で作ればいいのだ。