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覇王の神殿
著者 伊東潤
蘇我馬子、推古天皇、聖徳太子――古代史を彩った傑物たちの愛憎劇
政敵との死闘、推古大王・聖徳太子との愛憎の果てに馬子が得たものとは。
かつて日本の中心地であった飛鳥(現在の奈良県明日香村)を舞台に、
蘇我馬子の国づくりにかけた生涯を描く。
時は570年、病床に臥す父・蘇我稲目から強大な豪族・蘇我一族の頭目の座を受け継ぎいだ馬子。
以来、大王に次ぐ大臣として、日本に渡ったばかりの仏教に根差した国家を目指して邁進していく。
しかし、理想のためには謀略や暗殺も辞さず、馬子は血塗られた覇道を歩んでいくのであった――。
宿敵・物部守屋との争い、日本最古の女性天皇・推古との知られざる関係、
天才・聖徳太子への嫉妬と恐れなど功罪相半ばする日本最古の“悪役”の実像とは。
古代史浪漫小説、待望の文庫化。
覇王の神殿
05/08まで通常1,045円
税込 523 円 4ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子
2024/02/15 20:22
蘇我馬子の一代記
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
この時代の主要人物といえば、聖徳太子(厩戸王子)だが馬子を主人公とし、仏教国の礎を築いた人物として描く。
渡来した仏教を信奉し、国造りの基礎としたいと願い、そのためには政敵、それが皇族・大王であっても排除は辞さないという強い意志で邁進する。厩戸の登場で嫉妬という負の感情を持つところや繁栄させるのは国か一族か、という選択に迫られるところなども描き、時代は違えど人として普遍的な面も描かれている。
冒頭の乙子の変が描かれ、蘇我一族の終焉に結び付く構成も良かった。
覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子
2023/11/25 17:11
乙巳の変へ向かう
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代日本の中央集権国家への方向付けを行った蘇我馬子の一代記。大和政権を仏教国として東アジアに認識させることにより、中華冊封体制の中で位階を上げ、同時に大王(天皇)の権威を高める結果を生んだのは、策士として馬子の成果だろう。対抗勢力としての大王、豪族、厩戸王子らを滅ぼしていった大悪人でもあった。目的のために手段を選ばず、一族の勢力拡大と子孫への遺贈に心が向かいすぎたために、その後の乙巳の変を招いたのかもしれない。
2025/04/25 05:51
蘇我馬子と父と
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
推古天皇と聖徳太子と、ライバルの物部守屋との争いと、……。深いです!蘇我馬子と蘇我稲目というと、日本史では何となく、敵で、天皇家をないがしろに自らの一族の繁栄を……みたいなイメージでしたけど。こちらからのお話、読めてよかった