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もっこすの城 熊本築城始末【文庫版】
著者 伊東潤
天下無双の名城・熊本城はこうして築かれたーー。極上の築城ロマン!
天正10年、京都本能寺で織田信長が弑された。家臣の木村忠範は、自らが作り上げた安土城を守るため、城を枕に討ち死にを遂げる。残された嫡男の藤九郎は、一家を守るために猛将・加藤清正に仕官した。荒れ狂う菊池川の治水工事、死と隣り合わせの朝鮮出兵……。父の遺した秘伝書を武器に数々の困難をくぐり抜けてきた藤九郎は、ついに築城家としての檜舞台、熊本城築城に挑む。威風堂々、熱涙必至の長編戦国ロマン!
もっこすの城 熊本築城始末【文庫版】
05/08まで通常990円
税込 495 円 4ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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2025/03/31 08:01
城造りの側からの物語。
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
武士に比べて軽くみられていた城取り(城造り)だが、藤九郎の努力によって加藤清正から絶大なる信頼を得る。最後の清正の言葉に落涙。よい上司に恵まれた部下という感じ。
城取りである藤九郎の中に父親と同じく城とともに死ぬ覚悟、矜持がある。そこに胸を打たれる。
秀吉の朝鮮、明への出兵で他国の城を見る機会もある一方で反撃から守り切る日本の城の強固さも見せる。願えることを誘われても、城取りとしての矜持がそれを許さなかった。
清正と通じることで、戦いのための城でなく人を守るための城、戦をさせないための城という想いに至る点も面白い。
テンポ感が少し悪い気もするが、同じ城を作る話として比較すると私は『火天の城』よりもこちらの方が面白く好感が持てた。
読み物として、よい出来だと思う。おすすめ。