- みんなの評価
2件
国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に
著者 安田菜津紀(著)
「韓国籍・・・?」。高校2年のとき、突然知った父の出自。旅はそこから始まった
父は在日コリアン2世だった。父の死後に知ったその事実に著者のアイデンティティは揺れ動く。朝鮮半島からやってきた祖父母もその子どもである父も歳の離れた兄も、既に他界した。ほとんど手がかりがない中で資料を取り寄せ、わずかな痕跡を辿って彼らがかつて暮らした地を歩き、交流のあった人の話に耳を傾ける。その旅で次第に見えてきた家族の在りし日の姿を胸に抱きながら、目前の現実を取材する日々。現在と過去を往還する中で、時に気分が沈みそうになっても、多くの人との出会いにより、著者は自らの向かうべき道を見出していく。
【目次】
プロローグ
第1章 旅のはじまり
第2章 「家族とは何か」から「故郷とは何か」へ
第3章 ルーツをたどって
第4章 残された手がかりをつなぎ合わせて
第5章 ヘイトは止まらない濁流のように
第6章 祖父母の「故郷」、韓国へ
エピローグ
【著者】
安田菜津紀
1987 年神奈川県生まれ。認定NPO 法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)副代表。フォトジャーナリスト。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事―― 世界の子どもたちと向き合って』(日本写真企画)、『あなたのルーツを教えて下さい』(左右社)など。現在、TBS テレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
2023/07/04 07:21
国籍とは
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:モンタワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
国籍とその人自身の価値には何の関係もないのに、同じアジア人で同じような顔をしていて日本語話者であっても、国籍が違うと分かった途端に差別の対象となる不条理。この世から差別は無くならないとは思うがより少なくするには、もっと日本の近現代史を学習する教育が必要だと思う。
国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に
2023/10/03 09:17
「弱かったのは、個人ではなく、社会の支えでした」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の父は在日朝鮮地だった、彼女はその事実をパスポートを取得するまで知らなかった、彼女の母が違う兄は嫡外子だった、彼は父の子として認められていなかったのだ、「そんな酷い!」と彼女は思っていたのだが、朝鮮人の子として育つより母子家庭でも日本人として育つことの方が彼のためになるという父なりの判断があったのではないかとも考える。彼女の父も兄も鬼籍に入っている、死因はどうやら自殺らしい、「弱かったのは、個人ではなく、社会の支えでした」、自殺対策に携わる人のことばだ、そのとおりだと痛感する、そして、制服姿の学生を見て、「ええなあ」と本気で羨ましがる老人、彼女は貧困の中、学校へ通えず、文字もろくに勉強できていない、この事実の反面ヘイトスピーチを平気で垂れ流す哀れな人々、もっと法律を厳格にしないと