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サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
著者 レイ・オルデンバーグ(著) , 忠平美幸(訳)
第一の家、第二の職場とともに、個人の生活を支える場所として都市社会学が着目する〈サードプレイス〉。そこでは人は家庭や職場での役割から解放され、一個人としてくつろげる。
著者オルデンバーグが、産業化‐効率化‐合理化を進めてきたアメリカ社会と、そのもとに展開されてきた都市計画が生んだ人々の孤独の問題を批判しつつ、地域社会を再び活気づけるための〈サードプレイス〉として注目するのが、地域に根ざし、長く人々に愛されつづけている地元の飲食店だ。「見知らぬ者どうしの気楽で面白い混交」を創り出し、情報交換・意見交換の場所、地域の活動拠点としても機能する、地元の飲食店や個人商店ならではの特質が社会学の知見をもとに照らし出される。
第I部では、〈サードプレイス〉の機能、特徴、物理的な条件が詳細に解説され、第II部では、イギリスのパブやフランスのカフェなどの具体例から、文化や国民性が生み出す〈サードプレイス〉のヴァリエーションが紹介される。さらに第III部では、社会・政治面での〈サードプレイス〉の課題とその解決策が論じられる。
全編を通じ、オルデンバーグが〈サードプレイス〉に向ける期待は揺るぎない。そこには長年「とびきり居心地よい場所」に親しみ観察してきた者の実感と、「コミュニティの問題は住民の力で解決できる」という市民魂がみなぎっている。
店舗設計、都市計画、マーケティング、地域社会づくりの分野に刺激を与えつづけてきた書の待望の邦訳。
サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
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サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
2019/08/07 19:00
「サードプレイス」提唱の原点
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投稿者:はるよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
サードプレイスの提唱が80年代だったのは、予想以上に前だと感じました。時代背景が少し古いけど、だからこそ失われたものが何だったかが分かり、読んでよかったです。ちょっと男性寄りですが…。コミュニティの活動拠点であり、新しいものを受け入れる場所があることはとても貴重で、大事にしたいと思いました。