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絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
著者 アン・ケース(著) , アンガス・ディートン(著)
「調査の過程で、中年の白人アメリカ人の自殺率が急速に増えていることがわかった。…驚いたことに、中年の白人の間で増えていたのは自殺率だけではなかった。すべての死因による死亡率が増えていたのだ。…もっとも増加率の高い死因は三つに絞られた。自殺、薬物の過剰摂取、そしてアルコール性肝疾患だ。私たちは、これらを「絶望死」と呼ぶことにした。…絶望死が増えているのは、ほとんどが大学の学位を持たない人々の間でだった」(はじめに)
「私たちが望むのは、死のエピデミックの純然たる恐ろしさ、そしてレントシーキングと上向きの再分配が生み出した極端な不平等に向き合うことで、これまで長く考えられてきた数々の構想が実行に移されることだ。その時はとっくに訪れている」(最終章)
アメリカ労働者階級を死に追いやりつつある資本主義の欠陥を冷静に分析し、資本主義の力を取り戻す筋道を提示する。
絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
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絶望死のアメリカ 資本主義がめざすべきもの
2021/05/07 10:42
最後の、14~16章は必ず読んでください
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱんださん - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマは白人層の中毒死増加ですが、コロナ前より言われはじめた、行き過ぎた資本主義について考えさせられる本です。
アメリカで社会問題になっても、同じ企業がまた他国で同じ方法で儲けに走ることが多いので、アメリカ人ではない私たちもちゃんと知っておかないといけない話です。
重いテーマなので、なかなか読み進まないかもしれませんが、その場合でも最後の3章分は読んでください。そして、自分の頭で考えて。