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刃紋
著者 神山 裕右
名古屋で探偵業を営む草莱の元に舞い込んだ行方不明者の捜索依頼。関東大震災の混乱の中、数少ない手掛かりを頼りに調査を進めるが、関係者は次々と不審な死を遂げていき……。乱歩賞の著者による13年ぶりの新作ミステリー。
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刃紋
2024/05/15 07:16
大正ミステリ
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
関東大震災の混乱が続く中、ドイツから来た女の依頼で行方不明者を捜索する事になった探偵。少ない手掛かりを追えば追うほど深まる謎が、時代に苦しめられた人の毀れた心を映し出す大正ミステリ。
2段組で340ページとかなり詰めに詰めた作品。時代背景をうかがえるルビが面白くも、より埋め尽くされた視界に少し威圧感があり、目が滑る事があった。
どこから疑えば良いのか、何か明かされる度にまた新たな謎が生まれる。入り組んだ構想と、計り知れない壮絶な時流をありありと感じた。
苦しい状況の中で、人が何を拠り所に前を向いていくのか。あまりに違う環境の中に、少しのシンパシーを感じて楽しめた。