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3件
トンパ文字 生きているもう一つの象形文字
著者 著:王超鷹
中国雲南省奥地の少数民族ナシ族の祭司数十人により、読み継がれ、書かれ継がれる限りなく絵に近い文字の不思議の本。彩色すれば意味が発展する文字の魅力をカラーで解説。巻末に1200字の総覧。トンパを求める著者の紀行文と写真の数々も魅力。
トンパ文字 生きているもう一つの象形文字
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トンパ文字 生きているもう1つの象形文字
2001/10/17 17:36
トンパ文字字典として資料性も高い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中には数多くの文字体系がある。一般には、絵画から象形文字が生まれ、次第に単純化、様式化していったと言われているが、古代エジプト文字や漢字の最初期の形である甲骨文字でさえ、高度に様式化されており、絵画とはずいぶん距離があるように思う。だから、絵画が徐々に単純されて文字になったという説には疑問が残る。
ところが、中国雲南省の奥地に、今なお使われている象形文字があるというのだ。それも、かなり絵画に近い象形文字である。それこそ、アートディレクターの浅葉克己さんがブームの火付け役となったトンパ文字なのだ。
この本では、中国人にとっても秘境である雲南省奥地の人たちの生活が、カラー写真入りで紹介され、トンパ文字の使用例も載っている。そして、圧巻なのが全体の5分の3を占めるトンパ文字総覧だ。1200文字というのは、さすがにボリュームがある。
確かに、絵画の要素を強く残したデザインには魅力があるが、トンパ文字で書かれた実際の書物には、いささか泥臭さがある。浅葉さんによる洗練されたデザインが、現代の日本人の感性を捕らえた。そうでなければ、これほどのブームは起こらなかったと思う。
2019/10/21 07:21
トンパ文字とは
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
またどの地域で使われているかも知らなかったが雲南省辺りの文字なのか。昔、ウッチャンナンチャンの番組でウンナンとかけて雲南省産のウーロン茶を送ってきたことがあるので、雲南省についてもっと知りたくなった。
トンパ文字 生きているもう1つの象形文字
2000/11/03 22:02
かわいい絵のような文字たち
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国奥地にて現在も利用されている、漢字でない象形文字の紹介本。本文は日本語と英語で対訳風に併記されています。
トンパ文字とは中華人民共和国の雲南省の、ナシ族と呼ばれる少数民族が使用している、絵画的要素をとどめた象形文字です。もともとトンパと呼ばれる宗教者が経典を記録するために用いた文字だったそうです。もともと漢字などの世界の諸文字も、宗教者が独占する神秘の道具である時代が長かったわけですけど(ヨーロッパの紙が普及するまでもそうでしたし、太平洋やマヤなどでも同様でした)、比較的近年まで宗教者が利用していていまも残るというのは、けっこう珍しいのかも知れません。
ほぼ半分はカラーベージで、トンパ文字の伝説や占いにおける用例や、ナシ族の生活についてなど、簡単にまとめられています。ほぼ紙面の半分が写真であり、かわいらしい色つき象形文字が、なかなか楽しげです。
もう半分はモノクロで、トンパ文字の対訳辞書になっています。これがあればトンパ文字で文章が書ける……かも知れません。
この本をみていると、まだまだ世界には知らない文化があるのだなという感慨とともに、あまり記号化のすすんでいない古い形態の象形文字の面白さなどが伝わってきて、なんとなく幸せな気分になります。