- みんなの評価
2件
業火の市
かけがえのないものを奪われたとき、
男たちは血で染まる道を歩み始める――
鬼才ウィンズロウが放つ
新3部作の幕開け!
「『ゴッドファーザー』以来、最強のギャング小説」
――CWA受賞作家スティーヴ・キャヴァナー
ギャング小説の新たな金字塔。
絶賛の声、続々!
「“新米マフィアのドン”。ダニー・ライアンを待ちうけるのは光か闇か? ベテラン作家のドン・ウィンズロウを待ち受けるのは、称賛と喝采だ!! 傑作だ!!」 井上 順(俳優)
「巨匠の新作の誕生に立ち会えるだけでも、この不安と混迷の時代を生き延びる価値はある」小島秀夫(ゲームクリエイター)
「過熱する抗争劇と肉厚の人間ドラマに終始圧倒」宇田川拓也(書店員)
1986年アメリカ東海岸。
ダニーは通称ドッグタウンを仕切るアイルランド系マフィア・ファミリーの片隅に身を置いているが、昔からの仲間と平穏に暮らしている。
ところがある日、長らく共存共栄してきたイタリア系マフィア・ファミリーとの間に小さな諍いが起き、歯車が狂い始める。
やがて報復は一線を越え、ダニーは否応なく復讐と裏切りに血塗れた抗争に引きずり込まれていき――。
壮大な叙事詩の幕開け!
業火の市
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業火の市
2022/08/30 22:59
暴力の連鎖の先にあるもの。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゴッドファーザー」や「グッドフェローズ」に心掴まれた私にとって、マフィアを描いた作品を避けて通ることは考えられない。
ましてや著者があのドン・ウィンズロウとなれば尚更のこと。
ドン・ウィンズロウ×マフィアとなれば否応なしに期待値は高まってしまうものだが、そんなハードルなど軽々と超えるほど本作は素晴らしい作品となっている。
マフィア作品お馴染みの、ファミリー同士の絆、陰謀と裏切り、血で血を洗う凄惨な暴力の連鎖はもちろんのこと、
個人的にマフィア作品で最も重視している要素である、暴力への虚無感が本作ではしっかりと描かれている。
暴力を生業としている彼らが暴力の虚しさに気付いていく様は、人間の愚かさを映し出すと同時に己の運命を受け入れた者だけが持つ強さをもまた映し出す。
日常や平和が如何に脆弱で儚いものか痛感させられるだろう。
また各人の思惑・私利私欲が絡まり、ほんの些細なことが火種と化し、引き返せない状況になっていく物語の展開は全く予想がつかない。
儲けることしか頭にない者、血を家族を何よりも大切にする者、血や家族に懐疑的になる者などそれぞれの価値観が異なるが故に、いつそれが衝突するか読者は気が気でないはずだ。
いつ誰に何が起こるか分からない緊張感と、誰が何を目的として裏で動いているのかという疑心がページを繰る手を止めさせない。
予想がつかない展開でありながらも、いざそれが起きてしまうとそうなることが必然だったかのような見事な物語の構成。
マフィアという遠い世界で生きる人々でありながらも彼らの心情をリアルに描く巧みな人物描写。
巨匠ドン・ウィンズロウの筆力にただただ身を委ね、彼の紡いだ物語を読めるその幸福を是非とも噛み締めてほしい。
2025/03/27 07:01
マフィアたち
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
マフィアたちの対立は1986年アメリカ東海岸を舞台に過激。ダニーはマフィア・ファミリーですが、昔からの仲間と平穏に暮らしています。ところがある日、長らく共存共栄してきたイタリア系マフィア・ファミリーとの間に小さなトラブル、それが大きくなって。