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15件
たいせつなこと
著者 マーガレット・ワイズ・ブラウン , レナード・ワイスガード
1949年にアメリカで出版されて以来、読みつがれてきた絵本です。「たいせつなこと」とはなにかを、やさしく詩的な文章で語りかけます。
たいせつなこと
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たいせつなこと
2010/03/05 15:35
難しいこと、立派なことはできなくていい。私が私らしく生きていれば・・。
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るるる☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私達は自分の好みや観念などで「もの」の価値を判断しますが
そのもの自身にとってのたいせつなこととは・・。
例えば、スプーン。
形、色、大きさなど人によって様々な好みはあります。
そしてその好み、或いは用途によって、人はスプーンを選びます。
でもスプーンにとって大切なこととは
「それを使うと上手に食べられるということ」
ひなぎくにとって大切なことは白いということ
りんごにとって大切なことはたっぷり丸いということ
空にとって大切なことはいつもそこにあるということ
ただそこにあるだけではなく、大切な役割ももって存在していることを
唄うような美しいことばで語りかけてくれます。
そして・・・
あなたにとってたいせつなことは・・・
「あなたがあなたであること」
他人はいろいろ言います。
10人いれば10個のものさしで計って・・。
難しいこと、立派なことはできなくてもいい。
私が私らしく生きていれば・・
それが私にとっての一番「たいせつなこと」。
この絵本を読むと、
ふらついていた自分の心の軸がすっと中心にもどるような感覚を味わいます。
たいせつなこと
2006/03/07 16:49
《ちいさないちにんまえ》そのままの娘にあてる手紙のような絵本
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひ〜ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1949年に出版されて以来 おおくの人によみつがれて 日本では はじめての出版です。
「りんごは まるい」
りんごは あかい
したくのできた りんごは
きから ぽたんと おちてくる
かじると なかは しろく
あまずっぱい つゆが
ほおに はじける
・・・・・・・・
でも りんごに とって
たいせつなのは
たっぷり まるい
と いうこと
「あなたは あなた」
あかちゃんだった あなたは
からだと こころを ふくらませ
ちいさな いちにんまえに なりました
・・・・・・・・・・・。
でも あなたに とって
たいせつなのは
あなたが あなたで あること
視覚、味覚、触覚、いろんな感覚が 刺激される絵本だと 思いました。
二年生 最後の 参観日には、教室前に 子供達の
二年生から 三年生になる 喜びや 生まれた頃の様子、お気に入りの」おもちゃなどを 家族に聞いて作った 「おおきくなったよ」がそれぞれの イラストに飾られて 綴られていました。
《ちいさな いちにんまえ》そのままです。
そんな 文集を 作ったばかりの 子供達にピッタリの絵本だと思いました。
たいせつなこと
2010/01/15 20:21
当たり前の大切なことが詰まった「大切な本」
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今のわたしは絵本をめったに読まない。
だけど――この絵本だけは何度も何度も読んでしまう。引っ越しを何回か繰り返したけれど、その度に必ず、本棚に並べてしまう。いや、正確には並べたくなってしまう。
「スプーンは たべるときに つかうもの」から始まる作品は、一ページごとに、ある「モノ」を取り上げ、その「モノ」それぞれにとって「たいせつなこと」が書かれている。
日本での刊行は2001年だけれど、原作が発行されたのはそれよりもずっとずっと前、1949年のアメリカでのこと。原作の題名はThe Important Book。直訳すると「大切な本」。この絵本には、大切なことが書かれている。だから、大切な本なのだ。
例えば先の「スプーン」のくだりについて。「スプーン」のページの最終文には「スプーンに とって たいせつなのは それを つかうと じょうずに たべられる と いうこと」と、ある。そう、「スプーン」にとってたいせつなのは、スプーンを使えば上手に食べられるということ――手で食べると難しいものね。それはスプーンの大切な役目。それはスプーンにとって大切なこと。そして、それはわたしたちにとって、当り前のことでもある。
こういった調子で、スプーンから始まり、ひなぎく・あめ・くさ・ゆき・りんご・かぜ・そら・くつ・、それぞれの「たいせつなこと」が各ページに書かれている。そして最後のトピックは――「あなた」。
この絵本には当り前のことが詰まってる。だけどそのすべてはあまりにも当たり前すぎて、ついつい忘れてしまいがち。大切なことなのに――忘れてしまう。だからこそこの絵本は、The Important Bookなのだろう。
絵本には、子どもには子どもの受け止め方が、大人には大人の受け止め方がある。子どもの頃にこの本に出会っていたら、わたしはどんなことを考えていたかな、と、どうでもいいことを考える。
この絵本の最後のトピック――「あなた」。
「あなた」に とって たいせつなのは――。
いったいこの絵本には、あなたにとってたいせつなのは何だと書かれているのでしょうか。気になる方は、手に取って確かめてみてくださいね。