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夏の方舟
著者 著者:海猫沢 めろん
この恋は、あまりにも痛くて危険で耽美――
美しい離島でひとり暮らす青年・水無月陸。ある夏、陸が思い焦がれ、再会を切望していたかつての幼なじみ・黒坂聖が、女性の姿になって突然島に帰ってきた。陸は、胸に渦巻く凶悪な感情を抑えきれず、聖を監禁するが、本性を現した聖の前になすすべなく屈服し、欲望のままに交わる。小学生のときに死んだもうひとりの幼なじみ・遠野宮への回想と思慕をまじえ、美しい島でくりひろげられる少年たちのグロテスクでありながら透明なひと夏の恋。――表題作「夏の方舟」より「水の影踏み」
ほか、夜な夜な妖しいバーでおこなわれる、欲望をむき出しにしたヴァイオレンスなショー。その魅力に憑りつかれたサラリーマンの巻村と小田桐はバーに入り浸るように。そこでは、あまりにも刹那的な「生」と「死」の交錯がくりひろげられていた――「サロメのいない金曜日」
生々しくもピュアな、男たちの嫉妬と葛藤、欲望を痛々しくも透明に描き出した恋愛小説。
夏の方舟
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夏の方舟
2022/03/29 05:50
海の香りと夏の草いきれ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
海の香りと夏の草いきれを感じる
でもそれは爽やかとかまぶしいとかではなく
どろっとしたコールタールのような重い空気をまとっている。
ざわざわとした心地の悪い湿気多く含んだ重たいなにか。
決して読み心地は良いわけではないのに
読まずにはいられない何かがあるそんな作品でした。
耽美な色と嫉妬と葛藤というか焦燥感の生々しさが描かれている。
最初「陸」が筋かと思っていたら「S」が筋なんですね。
そうと知ってから改めて振り返るときちんと全てピースが収まる感じがします。
ぱぴ子もきちんとはまるピースだ。
山城の過去とおーちゃんとうに子の未来を見てみたい
遠野宮の視点で見た世界はどうだったのか
そんな気持ちがざわっと沼から這い出してくるような読み終わりでした。
☆4.5
夏の方舟
2019/08/29 18:20
きれい
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
男たちの嫉妬などの暗い部分を描いているにも関わらず、なぜだか全てがきれいな感じがして、美しかったです。