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3件
レジデンス
著者 小野寺史宜(著者)
湾岸に立つ「湊レジデンス」は普通のマンションだ。どこにでもいるような人が暮らし、どこにでもあるような生活を送っている――はずだった。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。自転車泥棒に制裁と称し暴行を働く弓矢。マンション内で乱れた関係を作る、弓矢の異母兄・充也。事故に遭い就職を失敗したフリーターの根岸。事情を抱える4人の行動が繋がる時、人間の悍ましい本性と残虐性が彼らに牙をむく――。錯綜する”衝動”と”本性”を描く、たった三日間の群像劇。『ひと』小野寺史宜の、もう一つの顔を刮目せよ。衝撃の「黒小野寺」小説!
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レジデンス
2023/09/24 08:51
人のある一面を描いた作品
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとの暗い、悪い部分に焦点をあてた怖い話だった。
いろいろな人の暮らしやできごとを描く中で、それらがつながっていってひとつの物語となる、そういうのを描くのがうまい方だと思うが、本作品もそこはなるほどど思いながら読む。
けれども、とにかく救いようがないというか後味も悪く、嫌だなと思った。
そう思わせる、そこも徹底した実力であると思う。
人間にはいろんな面があるので。
でも、自分はフィクションの世界でまでえげつないものは見たくない派だから、読後はしんどかった。
レジデンス
2022/10/07 19:03
新しい角度からの挑戦なのか?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:駄菓子屋さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの作品は読み終わった後に「安堵感・ほっとした気持ち・ほっこりした感じ・嬉しくなる気持ち」が残り、明日に向かう気持ちになったものだが、今回の作品はそれとは反対の真逆な読後感が残った。挑戦であったことはよく分かるが・・。
人間の本性を強く表現(誰にもある思い)していたとは思うが、もやもやしたものを残し終わってしまった。登場人物がいつものようにつながりを見せ、ああ、そうなのかと考えながら読み進めることは出来たが・・。身勝手な思いかもしれないが、残念な思いがある。
レジデンス
2022/09/26 11:28
ダークな感触の作品
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほんわか人情系が魅力の著者ですが、こうしたダークな感触の作品も得意分野ですね。レジデンス(=表向きの姿)を謳う団地(=実像)に住む登場人物たちが、停滞感を積み重ねながら、徐々に「沸点」に達していく緊張感のある作品でした。