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竜殺しのブリュンヒルド
著者 東崎惟子(著者) , あおあそ(イラスト)
竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。 エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。 しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。『神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』 復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。 第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!
王妹のブリュンヒルド
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2023/01/20 02:10
あとがきが良すぎた
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神竜に守られている国で、神竜の巫女をしているブリュンヒルド。
彼女は毎月捧げる生贄に心を痛めていて、幼馴染の王子や従者と共に真実を追究する。
二つの主従の忠義と愛の物語。
前作を読んだ時に「続編出すなんてとんでもない」と言ったが、続編というより姉妹作。
今回も救いはないけど傑作というほかない。
私は恋の相手を気にしてしまうので先にネタバレすると恋の相手は幼馴染シグルズ。
前の「愛が、二人を引き裂いた――」も今回の「すべてを赦し、ただ一度、憎んだ」も読めば納得。
どっちにしてもバッドエンドだけどキャッチが見事。
中身を読んでいるときはひどい鬱展開でも耐えていたけど、あとがき読んで涙腺が決壊した。
「物語を書く時は、出し惜しみをしないようにしています」前作も今作も、作者のこの言葉にすべて理解らされた。
そして前作の続きは蛇足だけど彼女の生きた世界にはまだ書く余地があると思って、今度は竜を悪役として描きながら、再び人と竜の愛の物語の「竜殺し」を描いてみせたことも、「この物語は、本にする価値がある」と決断してくれた担当編集さんにも脱帽。
最近あとがきの良作多くない?
本当に泣いた。今回も素晴らしい物語を見せてくれて感謝します。
2022/10/08 01:38
至高のバッドエンド
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エデンを守る竜は誘拐された幼子が自分の血を啜り生き延びたので神の思し召しと信じて彼女を育てた。
少女は成長し竜を愛したが、彼女の父である竜殺しの英雄がエデンに攻めてきたせいで竜もエデンも失い実父への復讐に燃える。
人を恨まなければ死後は神の世界で共にいられるはずだった竜と少女が愛によって引き裂かれる物語。
いっそ清々しいまでのバッドエンド。
これほど美しい愛と復讐の話を久しぶりに読んだと思う。
ざまぁ系で復讐とかいって楽しんでいる人に読んでほしい。
帯の「愛が、二人を引き裂いた――」のキャッチ考えた人に拍手したい。
終章の結末が素晴らしすぎる。
いやホントにメリバどころかバッドエンドな悲劇なんだけど、例えばこれはシェイクスピアのような、評価されるべき悲劇だわ。
徹頭徹尾描かれているのは復讐に燃える少女の物語なんだけど、私が読んだのは痛ましい愛だったわ。
好きとしか言えない。
単巻で素晴らしい完成度。
続編出すなんてとんでもないと思うが、予定されているらしい続編の内容が気になりすぎるから読むだろうなぁ。
あとがき記載の正義は知らんが、少なくとも愛だけは確かに溢れてたと思うわ。
竜の姫ブリュンヒルド
2023/06/23 20:43
神竜が神々しくなさすぎ
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投稿者:淡夢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレ注意
竜殺しのブリュンヒルドの神竜とは打って変わって、性格、行動ともに人間味というか、悪役っぽい神竜。
なんというか、とにかく表紙との落差が激しすぎ。
(まぁ、表紙の竜は、彼なんだろうけど)
だけど、なぜか心に残る物語。