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57件
プライド
著者 一条ゆかり (著)
今は亡き有名なオペラ歌手を母に持ち、同じ道を目指す資産家の娘、麻見史緒。バイトをしながらオペラ歌手を夢見る緑川萌と出会い…!? ドラマチック・ラブ&バトル第1巻!!
プライド 12
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プライド 12 (クイーンズコミックス)
2010/03/11 09:48
プライドの許す私の変化
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとう終わってしまいました・・・一条先生の描く女の「プライド」。
サラブレッドで転生の歌声とビジュアルに恵まれたプライドに生きるお嬢様育ちのオペラ歌手・史緒。正反対の苦労人生を歩んできた不屈の精神の強い女・萌。技術と素質の史緒vs.情感と迫力の萌。対極に育ち正反対の才能を発揮する二人はコンクールや舞台、そしてパトロンや男の問題など様々な場面で衝突し波乱を巻き起こしながらも、史緒と思いを通わせるピアニスト・蘭丸が間に入ることで3人のユニット「SRM」を結成、互いの声だけは認めあう。
レコード副社長、神野と「取引」婚約した史緒はウィーン、追い払われる形で萌はイタリア、故意に破れ傷心の蘭丸はニューヨークへと旅立ち各々の成長と成功を達成し、ようやく「SRM」再結成、日本で凱旋レコーディングをすることに。
さて、ここからが最終巻のみどころだ。
神野の子であることを隠したまま出産を迎える萌、そしてその事実は結婚を目前に史緒の知るところとなり破談の危機。
まさにメロドラマ・泥沼愛憎劇を多々手がけてきた一条先生ならではの展開が読者の予想を裏切らない(笑)
が、実は私はものすごく意外だったのだ。今回のラスト。
史緒が誰とくっつくのか?ずっと恋してきた蘭丸と結ばれるのか?はたまた裏切りが発覚した神野を許し長い時間暖めてきた愛に気付くのか?
果たして母親との確執を抱えた萌は自分が母親になることで思いは昇華されるのか?
それは読んでいただいてからのお楽しみだ。
ただ、今までの一条先生とは違う、とても暖かで優しくて、この上なく愛すべき作品であると思う。
人は生きていれば様々な人と出会い、たくさんの困難にぶち当たり、それでもほんの少しの幸せを糧に希望を持って次へ進む。
それを支えるのはいつだって己のプライドだけなのだ。
志の高低や目標の大小が問題なんじゃない。
自分を自分らしく生きる、そのプライドをかけて愛することのできる人、認めることのできるライバル、それを発揮することのできる場所を求め続けることが人を支えてくれるのだ。
この最終巻、誰もが大きく変わった。
人は人との出会いの中で変わる。その変化は長い時間をかけた間柄ならなおのこと、たとえ無意識であれ自分の「心」が望んだ形なのだ。
そう、変わることを「プライド」が許した形なのだ。
プライド 1 (クイーンズコミックス)
2003/08/28 04:37
高嶺の花か、アスファルトに咲く野の花か
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yurippe - この投稿者のレビュー一覧を見る
持ち続けるのも捨て去るのも、これほど難しいものはありません。プライドとの付き合い方は、誰にとっても永遠の課題なのではないでしょうか。本書で華麗に描かれるのは“プライドV.S.プライド”のバトルです。
ヒロインはオペラ歌手を目指す二人の女の子。それも全く対照的な二人です。才能・美貌・品位・財産・コネクションのすべてに恵まれた史緒と、場末のホステスの娘で苦学して音大に通う萌。高いプライドが邪魔して器用に生きられない根っからのお嬢様の史緒と、惨めな生活から這い上がるためにプライドをかなぐり捨てた萌が、ことあるごとにぶつかり合い、物語のテンションを引き上げていきます。中でも、父の会社の倒産で財産を失った史緒が、プライドだけでは生きられないことに気付き、お嬢様体質から徐々に脱皮していく様子は、細やかに描かれていて読みどころです。
前作『天使のツラノカワ』でも、お寺の娘でリッチな小悪魔美人の沙羅と、牧師の娘で図太くもかわいらしい貧乏娘の美花が好対照をなしました。対比によって登場人物の魅力を最大限に引き出すワザは一条先生の18番。今回も先がとても楽しみです。華やかなクラシック界が舞台なだけに、今のところ史緒に肩入れしたくなってしまいますが、これから萌がどう見せてくれるのか、目が離せません。
ただ、萌を見ていると「プライドを捨てるプライド」が、実は最も高いプライドなのではないかと感じます。平素の自分自身を振り返っても、何とつまらないことにカチンときていることか。ページを繰るたびに、しばし自省です。いつも華やかな一条ワールドですが、今回は生き方の示唆にも富んで抜群の読み応え。大御所の放つ“読ませる傑作”です。
プライド 11 (クイーンズコミックス)
2016/11/17 21:39
シオの強運
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
シオの強運がすごい!
爆弾を抱えて、次巻最終巻です。
有閑倶楽部とプライドのコラボ漫画もファンには嬉しいです。清四郎がどうなったかちょっと気になる(笑)。