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174件
ヒカルの碁
著者 ほったゆみ (原作) , 小畑健 (漫画)
ある日小6のヒカルは蔵で古い碁盤を見つける。その瞬間、碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込んだ。佐為の囲碁に対する一途な想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界へと導いていく…。
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ヒカルの碁 23 (ジャンプ・コミックス)
2003/09/11 01:24
終わりの無い物語
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本に囲碁ブームを巻き起こした革命的な作品もこの巻で完結。すばらしい作品でした。作者のほったさん、小畑さん、監修の梅沢さんには、本当にご苦労さまと言いたい。
連載終了時には物議をかもしたらしいエンディングですが、しっかりまとまっていると言える。
日中韓の若手棋士による対抗戦北斗杯、ここで終了することの妥当性は是非があると思うが、どこで終わっても実はあまり変わらない。この物語を、小学生だった主人公のヒカルが、囲碁を始め、棋士となって成長していく過程の青春譜として捉えれば、勝負の世界の激闘にもまれ、自らの棋士としての人生に意義を見い出したところから、一人の勝負師としての人生が始まる。始まりが一つの物語の終わりとなる、ある意味でこれ以上は無い終わり方と言える。
ラストは、ヒカルの言葉に、ライバルの塔矢アキラ、韓国のコ・ヨンハの言葉が重なり、さらに未来を見つめる塔矢行洋の言葉と、過去からの時間を繋ぐ藤原佐為の面影が重なる。
そして巻末のサイドストーリーでは、ヒカル達に続く世代が描かれる。北斗杯団長の倉田が自分を脅かす新しい世代と呼んだヒカル、アキラのさらに若い世代。ヒカルもいつのまにか追われる者の立場に立たされている。これらの重層こそが、この作品のテーマであった「神の一手を極める」その途方もない夢の、地上に蒔かれた種なのだ。
このマンガで囲碁に興味を持った人、碁界に興味を持った人も多いと思う。不思議に思ったんじゃないかな。ライバルのヒカルとアキラが北斗杯直前に自発的に合宿したり、日中対抗戦に出場した伊角さんが敵の中国棋院に暖かく迎え入れられたり、勝負と友情の不思議な関係もこのマンガの見どころ。
ヒカル達のこれからがどうなるのか気になる方は、これから彼等の進む先にある現実の棋士の世界に触れてみてはどうだろう。実際の日中韓の関係にも触れた「囲碁界の真相」、ヒカルの目指す一流棋士群像を描いた「昭和囲碁風雲録」などの本がおススメ。もちろん囲碁のルールを覚えてからヒカ碁を再読すれば、一段と楽しさが増すことも請け合いです。
ヒカルの碁 1 (ジャンプ・コミックス)
2001/11/23 15:59
自分で努力しない最近の子供
30人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『巨人の星』、『あしたのジョー』で育った私としては非常に違和感を覚える漫画ですな。要するにこの漫画の主人公は自分で努力しないんですよ。凡庸な平凡な少年が非凡なる努力、地獄の特訓を経て「天才に変身する」というのが高度成長期スポ根漫画の共通パターンでした。そこにあったのは「努力することこそが勝利の秘訣」という強烈なメッセージであり、それがある意味で日本人を励まし、駆り立てたともいえるのです。
玉もみがかにゃ光らない。ところがこの漫画はどうだ。要するにカンニングじゃないか。他人には見えないコーチが常に身辺に寄り添い、その指示に従って勝つという安直さ。そして次に来るのが突然変異。何も努力していないのに、ある日突然内なる才能が開花して「碁の天才」に変身。んなわけねーだろ。世の中なめんなよ! こういう漫画はやるとは日本の未来は暗いのか。他力本願を地で行く「お手軽出世漫画」に僕は吐き気を催す。
ヒカルの碁 1 (ジャンプ・コミックス)
2004/07/09 21:01
囲碁の面白さを知りました
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タララン - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はこの「ヒカルの碁」は、アニメで初めて知りました。
最初は、碁の話なんて面白いのかな?と思っていたのですが、
いざ観てみると面白いじゃないですか!!
次回が気になって気になってしかたなくさせてしまう、
巧みでスリリングなストーリー展開には驚きです。
囲碁の面白さ、奥深さを教えてくれた漫画です。
囲碁がこんなにエキサイティングなゲームだったなんて。
最初は、かつて平安の天才棋士として名を馳せた佐為の言うとおりに
碁を打っていたヒカルが、自分でも打ちたいと、自分の碁に
目覚めていく所もいいです。