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鋼の錬金術師
著者 著者:荒川弘
兄・エドワード・エルリック、弟・アルフォンス。2人の若き天才錬金術師は、幼いころ、病気で失った母を甦らせるため禁断の人体錬成を試みる。しかしその代償はあまりにも高すぎた…。錬成は失敗、エドワードはみずからの左足と、ただ一人の肉親・アルフォンスを失ってしまう。かけがえのない弟をこの世に呼び戻すため、エドワードは自身の右腕を代価とすることで、弟の魂を錬成し、鎧に定着させることに成功。そして兄弟は、すべてを取り戻すための長い旅に出る…。
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閲覧期限:2025/05/22 23:59
鋼の錬金術師27巻
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鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)
2010/12/18 00:06
エピローグが見せる作品のエッセンス
14人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやあ、すごく良いラストだった。誘惑に負けてアニメの最後の方の回だけ見てしまったので、コミックスもそれをなぞる形になるのかなと思っていて、あまり期待をしていなかった分、それを良い意味で裏切られたので、感慨はひとしお。確かに、アニメのストーリーをなぞった部分もたくさんあるのだけれど、コミックスにはそこを越えているところがあった。
偶然の産物なのか意図したものなのかは分からないが、このコミックスのエピローグは3部構成になっている。そしてこのストーリーが、まさに鋼の錬金術師という作品のエッセンスを凝縮したものであるといって良いと思う。
生物として活動を行うにはエネルギーが必要だ。そのエネルギーは、別の生物を食べることで体内に取り込まれる。他の命を奪わない限り、生き続けることはできない。そして、奪ったからにはそれを無駄にしてはならない。賢者の石の顛末には、このような思想が通底していると感じた。
更に人間的な特性として、歴史を紡ぐという点があると思う。この歴史は紙に書かれた記録、という意味ではなく、世代間で積み重ねられていく情報や経験のことを指している。人間が生物である限りいつかは死ぬ。だが、その人の生きた証は何らかの形となって受け継がれていく。それが進歩というものだろう。仲間の犠牲は無駄にはならない。
無機物だって壊れたら終わりというわけではない。道具は大切に修繕しながら使い、壊れたら鋳潰して再生させる。そう、再生させるのだ。再生したものは新たな歴史の流れに組み込まれ、新しい物語を紡ぐ。この世界にはそういった循環があるのだ。
この1巻だけを読んでも、ボクが感じた面白さを感じることはできないと思う。ここまでのストーリーの積み重ねがあるし、作者の荒川弘氏の実家の家業が酪農であると知っていることも関係しているかもしれない。
ひとつの作品にも、それなりの歴史がある。次回作もそういった歴史が積み重ねられるものになることを祈りたい。
鋼の錬金術師 24 (ガンガンコミックス)
2009/12/23 22:46
カタチのある魂、カタチを失った魂
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
イズミ・カーティスたちの参戦により、中央司令部完全制圧に向けて優位に立ったかに見えたブリッグス軍だが、たった一人の登場により、その戦況は一変する。一方、マスタング大佐たちの前にも一人の人間が現れ…。
権力の表の顔と裏の顔、両面の制圧に戦力は二分、三分されてしまう。遠隔攻撃や対多数の戦闘が可能であり、かつ、今後の権力掌握の容易さを考慮すれば、マスタング大佐は表舞台で戦いたいところなのだろうが、彼の主戦場は裏舞台に。しかし、彼には彼で重要な役割が与えられている様だ。
クーデターという大きな流れの中で、そこに埋没してしまいやすい個人が、いかに考え、いかに選択するか、というのが一つのテーマになっている印象を受ける。だから一兵士も考えるし、賢者の石になった魂も選択する。いよいよゴールが見えてきたようだ。
鋼の錬金術師 14 (ガンガンコミックス)
2006/07/27 16:47
敵が味方に味方が敵に?
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さささ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鋼の錬金術師もとうとう14巻になりましたか…。
買い始めたのは10巻のころで、確かアニメの劇場版の帯がついていたような気がします。アニメも劇場版も面白かったですが、原作はまた格別ですね。ここへきてさらにぐんと面白くなってきたように思います。
「お父様」とついにあいまみえたアルとエド。その実態は!?
そして一緒についてきたリンと、偶然居合わせたメイ・チャンとスカー、ホムンクルスたちとの対面。いったいどうなってしまうんだろう、とドキドキして新刊を購入しましたが、まさかそんなことになるとは…! 思いもかけない展開で、今後どうなってしまうのかとほんとうに気を揉みます。軍部のメンバーたちと再会しても全然気が抜けません。ますます先が読めなくなってきました。
と、シリアスのように見えるかもしれませんが、この作品の持ち味であるギャグも健在ですし、しっかりと地に足が着いた描写(エドたちが壊した市街を直しに行くとか)もされています。こういうところが好きなんだよなあ、と安心して読めるところがいいですね。
この巻、初版限定本にはラフスケッチがついててそれも大変素晴らしいものでしたが、通常版にもオマケの短編がついてきます。そちらもすごくよかった! 今は喪われているのを読者は知っているだけに、胸を打つ掌編でした。早くも次が楽しみです。