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65件
ハチミツとクローバー
著者 羽海野チカ
6畳+台所3畳フロなしというアパートで貧乏ながら、結構楽しい生活を送る美大生・森田、真山、竹本の3人。そんな彼らが、少女のように小さく可憐な女の子・花本はぐみと出会い…!? ※カバーデザインをリニューアルしました。また作品内の一部でカラ-ページを再現しております。内容に変更はございませんので、重複購入にご注意ください。
ハチミツとクローバー(10)
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2020/08/02 14:14
心理描写の達人
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かっぱ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品が「ネオ少女漫画」と謳われリアルタイムで人気を博していた頃.知人が本作を評して言うには「登場人物たちがぐるぐるぐるぐる片思いしてるだけの作品.各人の恋心が一方通行で(AはBが好き,BはCが好き,…)いつまでも何も変わらない」.
それから約15年,ようやく読んで思ったのはまず「どこまで読んだ上での評価だったのか」という疑念,そしていずれにせよ感情の機微の分からない人だったんだなという諦観.そんな人間の評価を鵜呑みにして今まで本作を読まずに来た私は本当に大馬鹿者だ.
確かに,片思いの膠着状態はかなり長い.「ぐるぐる片思い」は少女漫画は大体そんなものだが,恋が動く事象が作品通じて非常に少ない.しかし動く瞬間の大きさは劇的で非常にドラマチックである.
秀逸なのが登場人物たち.
特にヒロインはぐみのキャラクター,実際読むまではレビューなどから漫画によくある天然系ゆるふわ女子かと思っていたが,まず複数の異性に恋される人物にも拘らず取り立てて美人とか可愛いという容姿の魅力が語られない.そこにあるのは圧倒的な美術の才能と度を越したコミュニケーション力のなさ.決まった人以外とは殆どまともに喋れず,親しい人の前での振る舞いは幼女さながらというのがキャラクター設定としては突拍子もないのだがそれでいて非常にリアリティがある.
作者・羽海野チカは心理描写の達人で,凡人でしかない私に天才の苦悩を共感せしむる腕に改めて畏敬の念を抱く.次作「3月のライオン」でも天涯孤独な主人公の痛みを我がことのように感じたが,本作でもはぐみの苦痛・迷い・焦りが手に取るように感じられた.
経験したことのないことを共感させられるのが,ストーリーテラーの一番の能力だと思う.群像劇を描かせて彼女の右に出るものは少ないのではないか.
掲載誌が途中で変わっているため,第2巻chapter.14以前とそれ以後でテイストが異なる.初期は学園コメディ,それ以降は青春群像劇として恋愛要素と青年の迷いが強く描かれるようになる.第1巻から魅力的な人物像も恋愛要素も描かれているが,真骨頂は第2巻chapter.15以降なので先を読み続けるかは第2巻まで読んでから決めてほしい.
2020/12/28 23:37
私のバイブル
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きなこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう何年読み続けているかわからない。読み続けるうちに最初は気づかなかった心理描写に気付いたりして何回読んでも新しい発見があり、ずっと読み続けたい作品。
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2024年1月9日】ハチミツとクローバー(1)
2024/01/01 16:43
久しぶりに暖まりました
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
何十年ぶりかで、久しぶりにこの懐かしい仲間たちに再会できた嬉しさが…青春の切なさや甘酸っぱさが、この歳になって、こんな時代だからこそ、心に沁みる。
若い頃こういう作品に出会えて、今また読み返せて本当に良かった。
疎外感や無力感に抜け出せない気分に落ち込みそうな時、等身大で決してバーチャルじゃない登場人物の暖かみに何度も救われて現実に向かって背中を押されました。