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ちはやふる
著者 末次由紀(著)
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!
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ちはやふる(50)
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ちはやふる 1 (講談社コミックスビーラブ)
2009/04/11 17:17
ひたぶるに、激しく胸を 打つマンガ これほどのものとは 思いもよらず
16人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
羽海野(うみの)チカ『3月のライオン』(第2巻まで発売)、小玉(こだま)ユキ『坂道のアポロン』(第3巻まで発売)に続いて、最近、めっちゃハマった漫画がこれ! 2009年4月現在、第4巻まで出ている末次由紀の『ちはやふる』。百人一首の競技かるたに興味を持ち、類まれな才能を発揮していく少女・千早(ちはや)が主人公の物語。
「かるたかよー。暗いんじゃねぇー?」「それって、ダサいよ」という周囲の冷ややかな視線をものともせず、ただひたむきに、競技かるたの世界にのめり込んでゆく千早の姿が、すごくいいですね。彼女が、畳に置かれた「からくれなゐにみつくくるとは」の札を見て、「ちはや」という“かるたの目”を発見する場面。その辺りからぐいぐいと、本シリーズの面白さに引きつけられていきました。
ともに競技かるたに打ち込む仲間たちと千早とを結ぶ心の絆、それが実にダイナミックに、そしてハートフルに描かれているのも素晴らしい。紆余曲折あるけれど、競技かるたという勝負の世界を通して、切磋琢磨し、競い合える仲間たちを、千早が得ていくのですね。シリーズ4冊、一気読みに走ったあちこちで、目頭が熱くなりました。
それにしても、競技かるたって、こんなに激しいスポーツだったんだ! 「畳の上の格闘技」と称される、その激しさ、その醍醐味が、絵的にうまく表現されているところ。見ごたえ、あります。
第5巻以降の展開が、とても楽しみ。このシリーズと出会えたことに、感謝。
ちはやふる 4 (講談社コミックスビーラブ)
2009/04/24 00:09
アタリの感触
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
競技かるた?
和装の人たちが、百人一首をしているとは思えないすんごい目つきと緊張感の、あれね。
その程度の認識でした。
私の中では、単なる風物詩的な位置づけでしかなかったかるたの世界を、
まさかこんな形で知ることになるとは思ってもみませんでした。
黙っていれば美人のヒロインと、彼女を大切に想う男の子ふたり。
少女マンガの王道なのでしょうが、基本的にヒロインを好きになれないままだと、
かなりイライラする‘都合の良い’設定になります。
1巻の表紙の絵の女の子、目がくりーんとしていてあんまり好みじゃない…。
大丈夫なのかな、一抹の不安が胸をよぎります。
小学6年生の冬、3人は出会います。
無口で田舎者と笑われる転校生、笑う側のガキ大将、
他人の思惑などなんのそので転校生と親しくなるヒロイン。
きっかけは、かるたでした。
永世名人を祖父に持ち、幼い頃からかるたの世界では有名だった転校生は、
競技かるたで日本一になるという夢があります。
おそらく夢では終わらせないであろう、豊かな才能と情熱。
学校で方言をからかわれて萎縮する、彼の一面です。
3人はかるたを通じて、かけがえのない友情を育みます。
楽しくて幸せな、小学生最後の日々。
いつまでも一緒にいられると思っていた彼らにも、別れはきます。
子供にとってはそれきりになってしまうかもしれない、大きな別れです。
再会を信じて、ますますかるたにのめり込むヒロイン。
溢れる才能と情熱を持ちながら、かるたの道に戻れなくなってしまう少年。
さまざまな想いを抱えながら、ヒロインは高校でかるた部を発足させます。
全国大会で、離れてしまった少年に会えることを信じて。
これで少年に会えてしまうだけなら、単なる恋愛モノですが、
じつはそこからこの物語は大きく動き出します。
団体戦に挑みながらどんどん成長していく、たった5人のかるた部。
まず、スポーツさながらの激しさに驚きます。
そしてどの競技にもある団体戦の喜びが、物語を盛り上げてくれます。
互いに信頼し成長していく5人と、いまだかるたの世界に戻れないかつての仲間。
かるたに魅入られていく姿と、人間関係の比重がとても心地よく、
目がくりーんの絵も気にならなくなり、何度も胸を詰まらせました。
余談ですが、一瞬私の好みではないと思っただけで(それも表紙だけで、誤解でした)、
とても美しく丁寧な絵で描かれた物語です。
もうひとつ。
見守る大人たちの視線がとても優しい。
大切なことをしっかり教える彼らは、とても魅力的な人物像になっています。
このたび「マンガ大賞2009」に選ばれたとのこと。
こういう投票モノにはいろいろ好みもあるのでしょうが、
やはり票を集める作品というのは、それだけの魅力が詰まっているのでしょう。
素直に続きが楽しみです。
ちはやふる 6 (講談社コミックスビーラブ)
2009/09/12 23:39
畳の上に飛び散る汗の価値を知る
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
競技かるたは正月の新聞やテレビのニュースくらいでしか知らないし、小倉百人一首にしてもせいぜい十首知っているかというところ。"ちはやふる"と言えばどちらかというと落語をイメージしてしまうボクだけれど、この作品は面白い。
面白いという感情は、自分の常識、こうあるはずだという思い込みの斜め上を現実がいくから感じる。だから、全然知らないことを知った時に面白いとはあまり感じないと思う。それは知識を得るというだけに過ぎない。
では、この作品で外される常識は何か。それは、かるたが地味で暗いという、何となくのイメージである。だがここで知らされるのは、競技かるたが記憶力を競うだけでなく、聴力や反射神経、集中力や体力などを必要とする、れっきとしたスポーツであるという事実である。
そして明るさ。主役の一人であるちはや自身の華やかさも一役買っているのは事実であろうが、和服やそれを着る者の美しさであったり、何より、短歌自体にすら色を見せてくれる。初めに登場するのは、ちはやの唐紅。今回登場するのは、なにわえの芦の緑。無味乾燥に思える短歌を鮮やかに彩り、その背景に潜むエピソードまで引き出してくれる。
この巻で一押しのストーリーは、かなちゃんと机くんの対戦だと思う。もちろん、ちはやや太一たちの勝負も良いのだけれど、高校からかるたをはじめた素人の二人の対戦という事で、それぞれの努力の跡や必死に戦術を練っている様子が分かりやすい分、競技かるた自身に引き込まれる感じがする。やっぱり、負けて、悔しがって、それでも一番を目指して挑戦する姿は格好良いなあ。
競技かるたは、若い方が有利そうではあるけれど、老若男女対等に競える種目の様です。