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5件
一日三食絶対食べたい
著者 久野田ショウ(著)
突如として大洪水に襲われ、あらゆる文明は水没。その後、氷河期を迎えて滅びかけた世界――。生き残った少数の人類は、自給自足の生活を強いられている。ダメ人間のユキは、リッカという少女と同居しているが、病弱なリッカはやせ細っていくばかり。彼女に1日3食おいしいものを食べさせてあげたい……クズだけど、ダメだけど、イヤだけど、大事な君のために働かなくては。滅亡寸前の世界で、少女のためにダメ人間が踏ん張る!
一日三食絶対食べたい(3)
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2022/02/02 23:39
氷の下から発掘したあったかごはん
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投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
洪水と氷河期が立て続けに来て生き残りが高層ビルで社会を作ってる直近未来(まだ平成)。家族を失った大学生ユキくんは一緒に避難した幼い少女リッカさんを食べさせる為に、厳しい外での食材発掘に志願。先輩のスギタはリヴァイ兵長みたいなシビアな男だが結構優しい。ユキくんの駄目っぷりと彼を待つリッカさんの健気さ、スギタとの静かなボケツッコミの中で築いてゆく関係性が沁みる。 虎になった夢にはドキッとしたな。下手すると「火垂るの墓」みたいになりかねない世界なんだが、なんとかほのぼのに踏みとどまっていて、そのバランスが好きだ。
どうも僕の感想だと凄い殺伐とした物語みたいになっちゃったけど、殺伐としてるのは風景だけで、どこまでも続く氷原で静かに氷を切り出して持ち帰って、仕事が終わったら部屋で質素ながらも美味しいご飯を、血は繋がらないけど大事な二人きりの家族で食べる、って感じのお話です。
静かではないか。ユキくんは仕事中もけっこうウルサイ。
2022/02/01 10:29
二人でよく頑張ったね 成長したね
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後まで良かったなあ。
氷河期に育って夏も知らなかったリッカさんが、ユキくんのおかげで色んなことを学べた。大災害の時から、途中リッカさんの親戚を探しに行こうとしたときも、ずっと手を離したがらなかったリッカさんが、こんなに大きく成長するとは。
この漫画、地味にお仕事漫画としての要素もあって、駄目ダメだったユキくんも人として仕事をする大人としてよく成長した。
寒い日にツラい仕事の後に誰かと食べる温かい食事、美味しかったね。
良い漫画だった。
2022/02/01 10:07
後半の短編をぜひ読んで欲しい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
滅茶苦茶イイ!この気持ちをどう表現したらいいのやら。
この巻では先輩のスギタさんの心の成長がとても良いんだけど、それよりもほぼ3分の1を占める短編「宇宙のライカ」が最高にイイ!
これは本当に沢山の人に読んで欲しい作品。
人間の為に造られたロボットの悲哀、健気さ、彼ら自身の幸せは何なのかを描いた傑作だと言いたい。いや言い過ぎかもだけど、とにかく好きです。
ネタバレ。短編のあらすじと感想。
鉄腕アトムのように息子の代わりに造られた少年ロボットのライカは、事故から父を守って人にケガをさせ問題視され、遠宇宙の終わりない探査へ送られる。
落ち込んでいた父はライカのコピーと新しい家族を築き幸せになっていく。それを遠い宇宙で見せられ孤独に苛まれるライカ。
その後のライカとそのコピーである弟と地上の家族、それに宇宙でサポートしてくれてる無表情なルンバロボ、それぞれの感情が、ドラマが、瞬間ごとに心を突いてくる。
僕としてはずっとコピーだと思ってた地上のロボが共有する部分が有りつつも一個の人格だったんだなと気づかされたシーンが全てを持っていったな。でも全シーン良いです。
あんまりハードル上げ過ぎるのもなんだけど、僕は大好きです。
つーかライカなんて名前にしたらそりゃこうなるよと思ってたら、ライカよりもずっと幸せに生きた。ある意味元ネタのライカの救済の物語と言ってもいいかもしれない。
僕は猫派だけど、ロボと犬が共通して持っている忠誠心の物語が大好きで、その二つの要素を(犬要素は少ないけど)併せ持つこの短編は最高にツボです。
オススメ。